熊本県内で災害関連死を含めて死者・行方不明者69人を出した2020年7月4日の豪雨災害からまもなく6年です。県内さまざまな地域で甚大な被害が出ましたが、今回は被災地の一つ、八代市坂本町の今を取材しました。

坂本町では今年2月に町の中心部に新しく坂本橋が架け替えられ、八代市渡町から坂本橋までの国道219号線も復旧完了。

八代市役所坂本支所や災害公営住宅坂本団地も同じ時期に完成するなど、今年に入ってから復興の歩みを実感できるようなニュースが続いています。6年経って、ようやくインフラの復旧が進んできた印象を受けます。

災害があった際に避難場所となるのがこの支所のような施設です。6年前の災害の教訓がどのように生かされているのか、新しい庁舎の防災機能を取材しました。

【寺田 菜々海アナウンサー】
「球磨川のすぐ近くにあるJR肥薩線の坂本駅です。今は使われていません。当時被災したままとなっていて、あの赤いラインまで6年前は水が上がってきたそうです。一方で、新しく建てられた八代消防署坂本分署は私が今いる所よりも高い所にあります。また、このほか災害公営住宅坂本団地や八代市役所坂本支所もこのあたり一帯、3メートルかさ上げして建てられました」

八代市役所坂本支所の旧庁舎は6年前、床上2メートルまで漬かりました。

この教訓を生かし、新しい庁舎は一帯の土地を約3メートルかさ上げした上で、山側に40メートル移転して再建。ひとつの建物に支所とコミュニティーセンター、それに診療所なども入る複合型の施設です。庁舎の目の前にはヘリポートや災害時緊急車両などの拠点になる芝生広場が広がります。

この一帯は防災機能を集約した『河川防災ステーション』として、国が球磨川流域で初めて整備しました。庁舎の2階は『水防センター』と呼ばれ、普段は会議室として使われますが、有事の際には現地対策本部を置き、災害対応の要となります。

そして・・・。

【八代市役所坂本支所 中川 力さん】
「こちらが防災倉庫兼水防倉庫になります」
(どういったものが置いてある?)
「土嚢、ブルーシート、発電機、備蓄食料、水など」

水や食料は150人が6日間過ごせる量を確保。段ボールベッドや毛布、衛生用品なども備蓄しています。さらに、屋上には停電時にも3日間は電源を確保できるよう発電機などを備えているほか、最大400人が垂直避難できるスペースもあります。

【中川さん】
「新しくなったこの支所は非常に心強い建物と設備を整えているが、行政の力だけでできることには限りがある。まずは避難所の運用や日頃の訓練といった私たちのやるべき実務をしっかりとやりながら、高まっている地域の防災意識にしっかりと答えていければと思う」

坂本支所周辺は以前と大きく姿を変えた一方で坂本橋から上流方向はまだまだ復旧の途中ですよね。はい、復興の歩みについて地元の住民からこんな声も聞かれました。

【八代市坂本町の住民 谷坂 秀一さん】
(地域の復旧復興は?)
「遅い。荒瀬地区もかさ上げ対象だが、〈去年5月から着工〉といって、まだ手も付けていない。話にならない」

【八代市坂本町の住民 米田眞波さん】
「復旧はだいぶできている、道路は。だけどまだ住宅とか地域の家のかさ上げの地盤ができていない。坂本支所くらいまでは、よそから来る人も〈えらいきれいになったな〉という感じだろうが、それから先がまた大変」

「遅い」という声もありましたが…国交省八代復興事務所に話を聞きますと、球磨川流域で進められている宅地のかさ上げや『輪中堤』という堤防を整備する治水対策工事の進捗状況は、用地交渉などが難航して、当初の計画より1年ほど遅れているのは事実だそうです。

ことし5月末時点で八代市、芦北町、球磨村計全31カ所のうち10カ所で工事を終えていて、「今年度中の完了を目指す」としています。

また、球磨川にかかる橋については…八代から人吉にかけて、計10の橋が被災しましたが現在、5つの橋が完成しています。全ての橋の復旧を終える時期については未定とのことです。

最後に、住まいの復興状況ですが…熊本県によりますと、仮住まいの被災者は6月末時点で8世帯16人となり99.5%の世帯が住まいの再建を果たしたということです。

テレビ熊本
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