長野県松本市の中学校で持病や発達特性があり支援が必要な生徒に対し、担任が「何だお前、来たのか」と高圧的な発言をするなどし、生徒が自殺を企てるほど追い込まれていたことがわかった。市教育委員会は「重大事態」と認定されたと、市議会の委員会に報告した。
生徒に「何だお前、来たのか」
松本市教委は7月8日、市議会の委員会に学校関係者や有識者でつくるいじめ問題対策調査委員会が認定した「重大事態」について報告した。
重大事態とされたのは、2023年度に起きた持病や発達の特性があり支援が必要な生徒への対応。

報告書によると、休みがちだった生徒が登校した際、担任が高圧的な態度で「何だお前、来たのか」などと発言。
生徒は自殺を企てる
生徒は、この出来事をきっかけに不登校となり、「自分がいると周りに迷惑をかける」と遺書を書き、自殺を企てたという。
生徒はその後、個別の学習支援を受け、問題なく過ごしているという。

調査委員会は、「教職員の間で支援や配慮についての情報共有がされておらず、不適切で看過できるものではない」としていて、学校や市に対し、配慮が必要な生徒のための支援チームを設けることなどを求めている。
市長「関係者全てが反省を」
市は教職員に対し、生徒の人権に配慮した接し方の研修を重ね、学校内だけでなく市教委や外部との連携も深めたいとしている。

松本市の臥雲義尚市長は「当事者となった生徒の皆さんには、極めてつらい状況を強いたということを関係者全てが反省し、情報の周知、共有といったことを社会をあげて取り組んでいく必要がある」と述べた。
(長野放送)