6月に入り、鹿児島県内で赤潮による養殖被害が立て続けに発生している。錦江湾の垂水市牛根沖では約2万3千匹の養殖ブリが被害を受け、長島町沖でも31万匹余りが死ぬ事態となった。県水産振興課の田中敏博課長は「これまでの赤潮発生のセオリーが通じなくなっている」と警戒感を示す。

相次ぐ被害 「夏以外の発生も珍しくない」

6月27日、長島町沖では赤潮によって養殖ブリなど31万匹余りが死に、漁業者らが回収作業に追われた。また同月、錦江湾でも赤潮警報が発令され、垂水市牛根沖の養殖ブリ約2万3千匹に被害が出た。

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赤潮とは、何らかの原因で海中のプランクトンが増殖し、海水の色が変わる現象のことだ。プランクトンがえらに詰まったり、プランクトンの毒が原因となったりして、多くの魚が死ぬことがある。発生のメカニズムについては国や県が調査を続けているが、現時点では解明に至っていない。

県内では2021年以降、毎年のように赤潮が発生している。発生エリアは錦江湾と長島町沖に集中しており、かつて「発生シーズン」とされてきた夏以外の時期——冬や春先——にも発生するケースが増えている。

なぜ同じ場所で繰り返されるのか

「(垂水市)牛根は鹿児島湾の奥で非常に閉鎖的な水域。(長島町沖につながる)八代海は養殖のメッカで、ここも囲まれたところで閉鎖的な水域。それらが要因に上げられる」

閉鎖的な水域では海水が滞留しやすく、プランクトンが増殖しやすい環境が整いやすい。加えて、発生時期が拡大している要因としては、気候変動に伴う海水温の上昇も影響していると田中課長はみる。

「近年の地球の環境変動に基づく海水の温暖化が効いているのではないか」

「粘土で赤潮の細胞を壊す」 現場で試みる対策

抜本的な解決策がない中、関係者はさまざまな手法で養殖魚を守ろうとしている。いけすの網の水深を深くして魚の逃げ場を確保する方法のほか、県水産技術開発センターが開発した特別な粘土をまいて赤潮の拡大を抑える手法も取られている。

この粘土について、田中課長は次のように説明する。

「赤潮の細胞が粘土に触れることで、粘土が持つアルミニウムイオンの効果で赤潮の細胞を壊す」

いつ、どこで発生するか予測が困難な赤潮に対し、地道な監視と対策の積み重ねが続く。錦江湾や八代海の恵みを守るため、養殖業者にとって気の抜けない日々が続いている。

(動画で見る▶立て続けに赤潮被害 なぜ発生? 傾向と対策は?【鹿児島】)

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