自民党の岩屋毅前外務大臣は、30日午後の衆議院本会議で「国旗損壊罪」創設法案の採決前に本会議場から退場し、採決を棄権した理由について「党として決めた以上は党所属議員として反対はしないが、積極的に賛成することもできない」と語った。

日本の国旗を傷つける行為を処罰する「国旗損壊罪」を新たに設けるための法案は、30日の衆院本会議で採決され、自民党と日本維新の会などの賛成多数で可決した。

法案は、日本の国旗を「人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損した者」に、「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」を科すとしている。

国旗を傷つける行為のライブ配信も処罰の対象とする一方、国旗を傷つける様子を撮影してSNSで拡散することや、アニメや映画といった創作物などは処罰の対象外とした。

岩屋氏は採決を棄権した後、「言うまでもなく国旗は尊重しているし、国民の皆さんにもぜひそうしていただきたいと思っている」と強調したうえで、「国旗を尊重するという意識は自然な形で育まれるべきものであって、刑罰で強制されるべきものではないと、一貫して申し上げてきた」と自らの信念を強調した。

中道改革連合や共産党も、「思想を、刑罰をもって強制することになる」などと主張し、「表現の自由」を侵害する危険性があるなどとして、法案に反対してきた。

法案の衆議院本会議での可決をうけ、岩屋氏は「これから参議院でさらに充実した十分な検討、審議がなされることを期待している」と述べた。

与党が少数の参議院で法案を可決・成立させるには野党の協力が不可欠だが、衆院議員定数削減法案と「副首都」法案などを強引に審議入りさせた与党の国会運営に反発する野党は一切の国会審議に応じない構えを崩しておらず、「国旗損壊罪」創設法案の今国会での成立が不透明な状況となっている。

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