2013年、『餃子の王将』の運営会社の社長を射殺したとされる工藤会系組幹部の男に対し、検察は無期懲役を求刑した。判決前最後の法廷で被告が語ったこととは?

銃弾4発全てが被害者に命中

2026年6月29日、京都地裁で開かれた論告求刑公判。黒っぽいスーツ姿で法廷に姿を見せた男。着席した状態で傍聴席をぐるりと見渡した。

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殺人などの罪に問われている特定危険指定暴力団『工藤会』系組幹部の田中幸雄被告(59)だ。

2013年12月19日に京都市で発生した殺人事件。『餃子の王将』を展開する王将フードサービスの当時の社長・大東隆行さん(当時72)が拳銃で撃たれ殺害された。

放たれた銃弾4発全てが、大東さんに命中していたことから、警察は「銃の扱いに慣れた人物」による犯行とみて捜査を続けた。そして―。

「本件の被疑者、田中幸雄、年齢56歳を逮捕した」(京都府警記者会見・2022年10月28日)。

事件発生から9年後、実行犯として逮捕された田中被告は、何者かと共謀し大東さんを射殺したとして殺人などの罪に問われた。

「私は、決して犯人ではありません」

2025年11月から始まった田中被告の裁判。目撃情報など直接的な証拠がないなか、争点になったのは田中被告の『犯人性』だ。

検察は、事件現場に落ちていたタバコの吸い殻に付着したDNAなどを証拠として田中被告を事件の実行犯と主張。

対する田中被告は法廷で無実を訴えた。

「私は、決して犯人ではありません―。

任侠の志として濡れ衣の一つや二つ、甘んじて受け入れます―。

だからと言ってセンセーショナルな事件まで到底承服できない―。

もう一度言います。私自身は決して犯人ではありません」。

弁護側も「田中被告は当日、福岡にいた可能性がある」と主張した。

さらに田中被告は、2026年3月に行われた第10回公判の被告人質問で、一切の証言を拒否したのだ。

▼西川篤志・裁判長「検察官が質問したいとのことだが、一切供述を拒否しますか?」

▼田中幸雄・被告「はい」

▼西川篤志・裁判長「裁判官が質問したとしても供述を拒否しますか?」

▼田中幸雄・被告「はい」

▼西川篤志・裁判長「被告人質問を実施しません」

田中被告が、証言を拒否したことで、被告人質問は異例の中止となった。

検察 「タバコの吸い殻“持ち込まれた余地ない”」

そして迎えた6月29日の論告求刑公判。検察側は、現場に落ちていたタバコの吸い殻は、第三者により持ち込まれたと考えられる余地はないと指摘。

「組織的・計画的な犯行」「社会に与えた影響は大きい」などとして、田中被告に無期懲役を求刑した。

一方、弁護側はタバコの吸い殻について「組織内の別の者が陥れようとして吸い殻を持ってくることも不可能ではない」「真犯人が遺留したとも考えられる」と主張し、改めて無罪を強調した。

「裁判長、私は犯人じゃなかとばい!」

最終意見陳述で田中被告は「裁判長、陪席裁判官、謹んで申し上げます。私は、本当に犯人ではありません。私は犯人じゃなかとばい!-

失礼しました!私は本当に犯人じゃありません!と伝えてまわりたいです―。

皆さんにもう一度申し上げます。私は本当に犯人じゃありません!」と述べ、無実を訴えた。

強い口調でこう締めくくると田中被告は、周囲に会釈し法廷を後にした。

全国展開する中華料理チェーンの社長が殺害され、社会に大きな衝撃を与えたこの事件。判決は2026年10月に言い渡される予定だ。

(テレビ西日本)

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