秋田県の研究機関が、地域資源を生かした新たな食の可能性を提示した。県総合食品研究センターの成果発表会で、エゴマの副産物を養殖魚の餌に活用する研究や、ソラマメを使った次世代食品などを公開。持続可能な食料供給や商品化を見据えた取り組みとして、関係者の関心を集めた。
地域資源を生かした研究が一堂に
秋田市の県総合食品研究センターで開かれた研究成果発表会には、食品関連事業者や農業を学ぶ高校生など約60人が参加した。
研究成果発表会の様子(2026年5月)センターが開発した技術や支援によって生まれた商品などが紹介され、研究成果の社会実装に向けた動きが注目された。
エゴマの「搾りかす」で養殖魚に付加価値
発表の中でも関心を集めたのが、秋田・大仙市を中心に特産化しているエゴマの搾りかすを養殖魚の餌に活用する研究だ。
必須脂肪酸を豊富に含むエゴマ油の製造過程で出る副産物を有効利用しようという試みで、養殖サーモンへの応用が進められている。
研究では食味評価も実施され、「色、におい、食感、油の質・量・味、すべてにおいて優位な差は見られず、搾りかすによる味の悪影響はなく、おいしいままであると確認できた」と、結果が報告された。
食品ロス削減と高付加価値化を両立する可能性があり、事業化への期待も高まっている。
「県の皆さんにおいしいサーモンを届けられるようにしてほしい」と、研究に協力している企業側も前向きな姿勢を示した。
ソラマメで「次世代タンパク」に挑戦
もう一つの柱が、ソラマメを活用した食品開発だ。
世界的な人口増加に伴ってタンパク質不足への懸念が強まる中、代替タンパク源の確保は喫緊の課題とされている。センターは、大豆に代わる素材として「ソラマメ」に着目した。
開発されたのは、ソラマメと米こうじを組み合わせた発酵食品「発酵あんこのようかん」だ。砂糖を通常のようかんの3分の1に抑えながら、ソラマメのでんぷんを糖化させることで自然な甘みを引き出すことに成功した。
担当研究員は、「ソラマメのえぐみを解消する成果を得ることができたので、大豆の代替として加工食品への活用を検討していく」と話し、幅広い応用への可能性を示した。
「食の未来」を見据えた秋田発の技術
このほか、発酵技術を活用した輸出向け調味料なども紹介され、会場では実用化に向けた意見交換も行われた。
地域の農産物や副産物を活用し、持続可能な食を実現する取り組み。その最前線を示す場となった今回の発表会は、「秋田発の技術が食の未来を支える可能性」を強く印象づけた。
(秋田テレビ)

