何気ない休み時間に広がる思考の世界を、クレヨンの重なりで鮮やかに描き出す。秋田市の新屋高校美術部の生徒が、日常の感情や内面をテーマに制作を続けている。7月に秋田で開かれる全国高校総合文化祭(あきた総文2026)に県代表として出場し、その表現を全国の舞台で発信する。
日常の思考を色で表現
秋田市の新屋高校。放課後の美術室で生徒たちが制作に打ち込んでいる。
クレヨンを手にするのは2年生の高橋柑奈さんだ。
「自分の得意なもので絵を描きたくて、クレヨンは重ね塗りすると絵の存在感が増してはっきりした絵ができるので、絵の部分でどういったことを表現したいか使い分けている」と話す高橋さん。
クレヨンを重ねることで生まれる強い色彩と輪郭。
高橋さんは、日常の中でふと浮かぶ思考や感情を色に置き換え、作品に落とし込む表現を続けている。
刺激し合う美術部の環境
新屋高校美術部は、部員それぞれが異なる作風を持つ。互いの作品に触れながら刺激を受ける環境が、創作の幅を広げている。
自身のイラストが秋田県高校総合体育大会のポスターに採用された長野由依さんは、「それぞれ全然違うテイストの絵を描いているので、部員同士で『この色使い良いね』と声をかけ合うなど、良い刺激になっている」と話す。
県美術展覧会での入選などの成果も生まれ、部全体の表現力は着実に高まっている。
「妄想の時間」に込めた感覚
高橋さんは、7月に秋田で開かれる全国高校総合文化祭(あきた総文2026)の美術・工芸部門に、県代表の1人として出場する。

高橋さんがあきた総文に出展する作品のタイトルは『妄想の時間』。休み時間にふと考え事にふける自身の感覚をテーマにした。
「休み時間に物事を考えてしまう癖があるので、それを表現した。主人公が目立つように周りとは違う色合いにして、絵を見る人の目線が主人公に行くように描いた」と語る高橋さん。
周囲と色彩を変え、内面を際立たせる構図。何気ない時間の中にある思考の深まりを、繊細なタッチで描き出している。
顧問の菅原真紀子教諭も「着眼点が面白い。休み時間に自分が色々と考えていることをそのままクレヨンで絵に表すというアイデアが、一番秀でていたと感じている」と高く評価する。
全国の舞台へ さらなる一歩
7月26日に開幕する「あきた総文2026」。
高橋さんは「出身県で参加することはとても貴重な経験だと思うので、様々な作品に触れて、さらに努力していきたい」と意気込む。
全国から400点以上が集まる中、高橋さんの作品がどのように見る人の心に響くのか。
展示は7月28日から、横手市の県立近代美術館で始まる。
(秋田テレビ)

