混迷が続く中東情勢。アメリカのトランプ大統領はイランとの戦闘終結に向けた覚書に署名したことを明らかにしているが、エネルギー価格の高騰が止まらない中、新潟市の銭湯は、廃業を何とか阻止しようと奮闘している。銭湯の現状を取材した。
“ガス料金”5年前から約10万円↑
中東情勢の影響で高騰する原油や液化天然ガス。
新潟市中央区で68年営業している銭湯『みどり湯』。そのお湯を温めるのはガスだ。
夏場には開店の3時間前、冬場には開店の5時間前から湯を温め始めると話すみどり湯の坂井雅博さん。
そのためのガス料金はウクライナ情勢、そして中東情勢の悪化に伴い、ここ数年経営を大きく圧迫し続けている。
坂井さんは「今年5月で43万円。使っている量も例年と変わらない」と話す。
ウクライナ戦争が始まる前の2021年と2025年、そして2026年のそれぞれ5月のガス料金の明細。
21年には32万円あまりだったが、25年は48万円を超え、5月は43万円台だった。
坂井さんは「入浴料金の売上の半分から半分以上。半分以上がガス代に使われている。燃料費の値上がりが始まる前に比べたら非常に重しになっている」と漏らす。
経営安定せず…入浴料値上げを要請
政府が7月からの3カ月間、補助金を再開するほか、新潟市は銭湯に対し、年間で20万円ほどを助成しているが、経営を安定させるほどの効果にはつながっていない。

現在、月曜日を定休日にしているが、「夏場でももう一日定休日を増やさないと難しい。燃料費の節約ができないなと思っている」という。
さらに坂井さんは「お客に申し訳ない」としながらも現在480円の入浴料を550円に値上げするよう県に要請していると明かした。
「これは県知事の認可が必要なので、県の浴場組合として県のほうにお願いをしている」

高騰しているのはガス代だけではない。
サービスで備え付けているボディソープやシャンプーも1割以上値上がりしているほか、無料で貸し出しているタオルも洗剤や消毒代の高騰が負担になっている。
トランプ大統領 戦闘終結へ覚書に署名も「元に戻るとは思えない」
アメリカのトランプ大統領は、イランとの戦闘終結に向けた覚書に署名したことを明らかにしているが、坂井さんは「ただ、これで元に戻るとは思えない。なので、この高価格というのは一定維持をしていきながら、その先どうなるかを見ているような状況」と話す。

一日に100人近くが利用する『みどり湯』。
「廃業しないこと。そこを見据えてなんとかしているという状況…」
地域の浴場を守りたい。その思いだけが苦境を支えていた。

