昭和の音楽文化を象徴する『レコード』。いま、若者の間でちょっとしたブームになっている。人気アーティストも続々と発売しているようだ。その理由に針を落としてみた。
自分が聞きたいレコードを自分の卓で
福岡市中央区大名の中心部にあるビルの一角。5月15日にオープンした『ルーシーズ・レコード・カフェ』だ。

店内には、エルビス・プレスリーやローリングストーンズなどのジャケットがきれいにディスプレイされている。

「自分が聞きたいレコードを自分の卓で聞くレコードカフェです」と話すのは、オーナーの信佐拓万さん。見ると確かに各テーブルにプレーヤーが設置されている。

このカフェは、入場料1100円で邦楽、洋楽合わせて2000枚以上のレコードを自由に楽しむことができる。

レコードというと昔の音楽というイメージがあるが、信佐さんは「最近のアーティストもかなりレコードを出している方が多くて『Ado』とか『アイナ・ジ・エンド』とか『RADWIMPS』とか」と話す。

レコードは最早、昭和世代だけのものではないようだ。
2025年は37年振りに84億円超え
信佐さんがこのカフェを開いたきっかけは、3年前に訪れた韓国。「韓国にレコードの文化を見に行ったときに、このスタイルを見て、これだと自分の聞きたいレコードを聞けるってなって」(『ルーシーズ・レコード・カフェ』信佐拓万さん)。

レコードカフェが人気を集める韓国。その文化に魅了されオープンを決意したという。

レコードに一度も触れたことがない記者。その魅力を知るため体験させてもらうことに。選んだのは人気バンド『ミセスグリーアップル』のアルバム『アンテナ』。

「基本的にレコードは内袋を出してもらって、黒い面は針が通るところなので、黒い部分は触らないように」と初めての人にも扱い方を丁寧に教えてくれる。

レコードをプレーヤーに乗せたらヘッドホンを装着。レコードで聞く『ケセラセラ』。曲が始まる前の静寂。そこから始まる世界観。
『ルーシーズ・レコード・カフェ』では、訪れる客の8割ほどが10代から20代の若者だ。

日本レコード協会によると国内のアナログレコードの生産金額は、年々増加し、2025年は37年振りに84億円を超えた。

リアルな体験として人と違った体験をしたい
その勢いは家電量販店にも広がっている。家電量販店『ベスト電器』では、約20種類のレコードプレーヤーを販売。取り扱い機種は、この数年で約1.5倍に増えた。

『ベスト電器』の田代清貞さんは「最近は、もともとオーディオをしていた人だけでなくて、若い人がやってみたいという要望が増えてきています」と話す。

さらに、初心者向けの特設コーナーも設置。POPも出されて分かりやすくディスプレイしている。「ブルートゥースのスピーカーにレコードプレーヤーから信号を送って音を流すことができます」(『ベスト電器』田代清貞さん)。

レコードをより手軽に楽しめるようになったことで売り上げも約3割、伸びているという。

売り上げを伸ばしている背景を田代さんは「レトロブームと言われる、特にZ世代の人たちが珍しくて聞いているんじゃないかなと思います」と分析している。
若者たちは、レコードのどんなところに魅力を感じているのか。

「歌っている人の声も正確に聞き取れるし、聞いていてめちゃくちゃ楽しい」(20代・男性)。

「ジャケットを開いた状態がカワイイ。回っている姿をずっと見られる」(20代・女性)。

「レコードで聞いた方が“エモい”。歌詞カードも昔っぽい感じ。不思議というか“ジャケ写”にはない写真とかもカワイイ」(20代・女性)。

「ジャケットがカワイイとかSNS映えしやすいところはあると思うけど、リアルな体験として人と違った体験をしたいというのが、いまの若い子たちが求めているのかなと思います」(『ルーシーズ・レコード・カフェ』信佐拓万さん)。
(テレビ西日本)

