「浴育」という言葉を聞いたことがあるだろうか。温泉地として知られる鹿児島・霧島市の小学校で小学生の「浴育学習」があり、児童が温泉ソムリエから足湯の効用や入浴のマナーを学んだ。
西郷さんも愛した温泉郷で温泉のぬくもりを体感
あの西郷さんもよく訪れたという霧島市隼人町の日当山温泉郷。 浴育学習が行われたのはその名も「日当山西郷どん村」。地元の日当山小学校の3年生約100人が、温泉ソムリエとして活動する六三四(むさし)さんから入浴のさまざまを学んだ。

施設内の足湯でまず体験したのは足湯ならぬ「手湯」。おそるおそるお湯の中に手を入れた児童だが「ツルツルしている!」と驚きの声が。すると六三四さん、「せっけんのような感じがしない?手をゴシゴシするとせっけんみたいな作用で手がきれいになります」と、日当山温泉の泉質の特徴を生かした利用法を説明した。

続いては足湯だ。大きな声で「熱い!」と声を出す児童に「だいぶぬるいよ」と返した六三四さんは「ふくらはぎを温めることで体の血の流れがすごく良くなります。だから足湯にしっかり入ってくださいね」と続けた。

声をそろえて背中流し体験 もちろんマナーもお勉強
西郷隆盛の定宿を復元した建物に移動した児童は、西郷どん流のコミュニケーション術を体験。浴室ではないので服を着たままだが、タオルを手に「ゴシゴシ!ゴシゴシ!」と元気に声をそろえて前の児童の背中を“流した”。お風呂で背中を流す光景は最近あまり見かけないが「気持ちよかった人!」という質問にみんな「ハーイ!」と元気よく手を挙げた。

浴育学習ではマナーの勉強も。スタッフがわざと乱雑に並べた洗面器や洗い場の椅子をみんなで片付けようというのだ。みんなが「1、2、3!」とカウントする中、児童の代表が片付け。わずか10秒そこそこで、きれいに片付いた。そして「泳がない、もぐらない」「タオルを中につけない」「髪が長い人は結ぶ」という、湯船に入る時のマナーも学び、歴史ある温泉で育ちながら公衆浴場に入る経験の少ない子どもたちにとって貴重なひとときを過ごした。

児童に話を聞くと「マナーを守るのを勉強した」「足湯はけっこうたくさん学んだし楽しいこともできてうれしかった」と充実した様子。温泉の街ならではの浴育授業は、体の芯までしみわたっていたようだ。
