兵庫県たつの市で親子2人が殺害された事件で、娘を殺害した疑いで公開手配されていた、大山賢二容疑者は遺体で見つかりました。

事件がまだ発覚する前の5月16日、大山容疑者は職務質問を受け、警察官に「人を殺した」と話していたものの具体的な供述がなく、事件の発覚には至りませんでした。その後、警察官は大山容疑者をたつの市の現場近くまで送り届けていたということです。

これについて元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏は「供述があっても逮捕できない場合はある」と述べつつ、「職務質問の経緯や情報共有がなされていたかは検証されるべき」と指摘しました。

一方、刑事弁護の経験も豊富な菊地幸夫弁護士は、大山容疑者の行動を「普通では考えられないところがある」と述べ、警察官が「『人を殺した』と言いそうだ、と受け止めたのではないか」と推測しました。

■事件発覚前 職務質問に「人を殺した」話すも…

事件のこれまでの経緯です。

・5月13日ごろ 田中澄惠さんと娘の千尋さんを大山容疑者が殺害したか。
・5月16日夜 兵庫県高砂市で警察官が大山容疑者を職務質問。大山容疑者は「人を殺した」と話す→事件現場付近へ警察官が送り届ける。
・5月19日 澄惠さんと娘の千尋さんの遺体が発見される。
・5月20日 事件現場から2キロの橋の下で大山容疑者が目撃される。この日に死亡か。
・5月24日 公開手配。
・6月3日 事件現場からおよそ15キロ離れた川で大山容疑者の遺体が発見される。

事件がまだ発覚する前、遺体が見つかる前の5月16日、大山容疑者は職務質問を受け、警察官に「人を殺した」と話していたということです。ただこの時は、具体的な供述がなく、事件の発覚には至らなかったということです。

また職務質問をした警察官は、大山容疑者を事件現場近くまで送り届けていたということです。

■佐々木氏 供述がどこまで共有されたか・誰の判断で送り届けたか 検証を

この点について、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏は、「供述があっても逮捕できない場合はある」と述べつつ、現場周辺まで送り届けた経緯やどのレベルまで情報が共有されていたのかということなどは、今後検証されるべきだと指摘しました。

【佐々木氏】「やはりこういった事案があったので警察は検証すべきだと思います。

ただ僕も、現役時代には供述があっても逮捕はできない場合がやっぱりあるんですよ。詳細がないと、『どこで誰を、いつ』など、こういった供述かない限り、事件とわからないので。

事件として判断できないというのは理解できますが、『そのあと』です。誰の判断で、たつの市まで送り届けたのか。

結果論ですが、容疑者の過去の住宅において、今回の事件の証拠となるようなものが遺留されているわけです。

その隣の住宅には(被害者の)ご遺体があったわけですから、その時の判断、例えば現場を案内させることができなかったのか。

こういったことにおいては、交番の勤務員だけではなくて警察署、刑事課、本部、こういった形で今回のこの容疑者の供述の情報共有がどこまでされていたのか。

誰の判断でたつの市まで送っていったのか。こういったことは検証すべき内容になるのかなと思います」

■菊地弁護士「『人を殺した』が『この人なら言いそうだな』と受け止めたのでは」

一方、刑事弁護の経験も豊富な菊地幸夫弁護士は、大山容疑者がたつの市に送り届けられて以降、現場周辺を離れていなかったとみられることなどから、「ちょっと普通だと考えられないところがある」と指摘。

「人を殺した」という供述も、聞いた警察官が「『この人ならこういうことを言いそうだな』と受け止めたのでは」と説明しました。

【菊地弁護士】「大山容疑者は、ちょっと行動が普通ではない。事件後、現場を離脱していない。周囲をウロウロしていると。普通は逃げますよね。

あと自宅に証拠を残しておくとか、警察に16日、『人を殺した』と自分から言ってしまっているとか、ちょっと普通だと考えられないというようなところもあって。

そうすると16日に大山容疑者と会って、職務質問をした警察官にとっても、『人を殺した』というのが、『この人ならこういうことを言いそうだな』と受け止められてしまったという可能性もちょっと考えられるんですよ。

だからそういう意味で、現場へ行って、その家で証拠を探すというのが難しいシチュエーションだったのではないかという気もします」

(関西テレビ「newsランナー」2026年6月4日放送)

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