6月1日から、長野県内でも「宿泊税」が導入されました。宿泊利用者にとっては新たな負担に、宿泊業者も導入に向けた準備を進めてきました。
■「宿泊税」1泊6000円以上で200円
6月1日から長野県内の宿泊利用者に課税される「宿泊税」。
1人1泊6000円以上の宿泊に対し、導入から3年間は1泊200円、それ以降は300円が課税されます。
ホテル国際21 宿泊部・宮下洋介部長:
「チェックインの際には、宿泊税の説明・案内文を作っているので提示しながら」
導入に合わせ、長野市の「ホテル国際21」も準備を進めてきました。
ホテル国際21 宿泊部・宮下洋介部長:
「準備は全て終わっていて、内部でいうと予約管理システムを宿泊税対応に設定を変えたり、既に予約をいただいているお客さまにもメールや電話で、宿泊税の導入が始まると告知してきた」
「宿泊税」は自治体が条例に基づき徴収する地方税で、全国的にも導入する自治体が相次いでいます。
■5年で108億円の税収見込む
県も、観光振興に充てる財源確保を目的とし、2025年3月の県議会で可決され、6月1日から導入されることになりました。
長野県・阿部守一知事:
「市町村単独ではなく、広域で取り組まなければいけないこともたくさんある。広域的な視点を持って、協力・連携をして対応していくとありがたい」
県は5年間で約108億円の税収を見込み、「自然公園の園路や遊歩道の整備」「交通・観光施設でのキャッシュレス化」「観光地の司令塔となる人材育成」などの観光振興に充てるとしています。
■観光客「やめる人はいないと思う」
観光客や宿泊利用者にとっては、新たな負担になりますが―。
観光客は―。
神奈川県から:
「6月からと聞いていて、だから5月中に来た」
東京都から(高校生):
「泊まる側としては負担が増えることもあるが、地元やホテルの場所が活性化していくならいい」
「ホテルよりも、施設を見に行くために旅行があるので、ホテルの値段が上がることは、(旅行先の選択肢に)関係はないのかな」
ニュージーランドから:
「それが地域の整備とかインフラとかに使われるのであれば、200円だからといってやめる人はいないと思う」
■県民「妥当」「県内は少し割引も」
県民は―。
県民:
「(200円は)最初のスタートとしては妥当なのではないか。500円とか1000円まで上がってもいいのでは」
「全員同一額ではなくて、県内は少し割引とかそういうものがあればいい。あとは使い道がはっきりしていないので疑問に思うことがある」
街の声では肯定的な意見が目立ちました。
■ホテル側「泊まる価値」の向上を
では宿泊業者側はどうなのか。
ホテル国際21 宿泊部・宮下洋介部長:
「世界水準の山岳高原観光地をつくるための大切な財源と認識しておりますので、地域の魅力づくりに有効に活用していただけるのであれば、しっかりと私共も、それに取り組んでいきたいなというふうに思っております」
新たな宿泊税に対応するため、「国際21」では、システムを改修したほか、各種旅行サイトでの周知などに力を入れてきました。
また宿泊税の支払いは、一律、チェックインの時の支払いとしています。
ル国際21 宿泊部・宮下洋介部長:
「チェックイン時の混乱を避ける上では、私共ホテルとしては、チェックインの際に大変お手数ではありますが現地で頂戴をすると統一をしております」
そのほか、課税を受けて、ホテル独自で行った対応も。
ホテル国際21 宿泊部・宮下洋介部長:
「お客さまがその税を払ってでも泊まった価値があると思っていただきたいので、客室の一部改修やロビーのソファーを含めた見た目の入れ替えも行った」
全部で158ある客室は、順次、壁紙や浴室の床板を張り替えてリニューアル。
老朽化していたロビーのソファーや机も入れ替え、居心地の良い空間をつくりました。
ホテル国際21 宿泊部・宮下洋介部長:
「一番大事なのは、6月1日からチェックインするお客さまにしっかりと宿泊税をご説明・ご案内した上で、頂戴するというところ。これからいよいよ本番だと思っております」
■5市町村では独自に課税
一方、県とは別に、独自に宿泊税を課す市町村もあります。
松本市、軽井沢町、白馬村、野沢温泉村、そして阿智村です。
阿智村独自の宿泊税は、1人1泊につき200円、県税と合わせて1人300円を徴収します。
宿泊料金が6000円(税抜)未満や、教育活動での宿泊は課税が免除されます。
こちらは、阿智村の昼神温泉郷にある温泉旅館、「石苔亭いしだ」。
旅行サイトや、電話での宿泊確認の際に、宿泊税導入の周知をはかってきたほか、5月31日に宿泊客を送り出してから、6月4日までは休館日で、この間に、宿泊税に対応するためのシステム改修や、従業員への研修など、最終的な調整を行う予定です。
石苔亭いしだ・吉川隼介支配人:
「そんなバタつくことなく、スムーズに宿泊税を導入するシステムはうまく移行できている」
■「ずっと続く温泉地に」現場の期待
村では年間約5500万円の税収を見込み、受け入れ環境の整備など観光振興に充てる方針です。
この使い道に対して、旅館側からはこんな声もー。
石苔亭いしだ・吉川隼介支配人:
「昼神温泉にも若い従業員は非常に重要かなと思っている。寮だったりとか集まれる場所だったり、若い人が集まれる場所が財源で何かしていただけたら」
旅館では、近くに20室の社員寮がありますが、新卒採用に力を入れていることもあり、部屋の数が不足しています。
また、他の宿泊施設の従業員同士の研修会など、人材確保や育成などに充てられることを期待しています。
石苔亭いしだ・吉川隼介支配人:
「お客さまから徴収させていただくというところで、阿智村の昼神温泉の観光資源ですね、お客さまに還元できるように理解していただくようにしていきたい。今後、ずっと続いていく温泉地になっていただきたいと思っているので期待を感じている」
6月1日から始まった宿泊税。
観光客からは肯定的な意見が多かったものの、宿泊者にきちんと説明し、理解を得ていくことが求められそうです。