2024年4月、北海道旭川市で女子高校生が橋から転落し、殺害された事件。

 主犯格とされる内田梨瑚被告(23)の4回目の裁判で、事件当日、ビデオ通話越しに被告らによる暴行を目撃した少年がリモートで証人出廷し、当時の緊迫した状況を生々しく語った。


■“リコさん”ではなく“内田”と呼び捨てにした少年

 内田被告は青いストライプシャツ姿で入廷し、深く一礼して着席した。

 この日の証人尋問では、内田被告の知人の少年がリモートで出廷した。

 2人は事件の1週間ほど前に知り合ったという。

 内田被告との関係を問われると、少年は「別に何もないです」と証言した。

 一度だけ「リコさん」と口にしたものの、基本的には内田被告を「内田」と呼び捨てにしていた。


■小さな画面に映った暴行「見ている側も苦しかった」

 少年は女子高校生が監禁される現場に居合わせていたが、その後、内田被告らと別れ、自宅に戻っていた。

 帰宅後、自宅のベッドにいた少年は、内田被告にLINE電話をかけた。

 Q なぜ電話をかけたんですか

 「その場に、女子高校生への暴行を止める人がいなかったので、心配になって電話しました」

 通話はすぐにビデオ通話へ切り替わった。

 最初に映ったのは、内田被告の共犯で、“舎弟”と呼ばれていた当時19歳の女が、被害者に馬乗りになっている姿だった。

 女子高校生は首を絞められたり、顔を何度も殴られたりしていた。服は身につけていなかったという。

 女は「こっちは人生かかってんだよ」と怒鳴り、女子高校生は泣きながら「すみません」と謝っていた。

 凄惨な様子に、少年は見ていられなくなり、スマートフォンを伏せたという。

 しかし心配になり、再び画面を見ることを繰り返していた。

 Q なぜ目を離した

 「見ていられなくなったので。暴行を見ている側も苦しいっていうか…」

 再び画面を見ると、今度は内田被告が被害者の髪を引っ張り、腰付近を蹴っていた。

 被害者の様子について少年は「弱っていた」と証言した。

 しかし内田被告は、衰弱した女子高校生に対し、「死んだふりしてる」と、ばかにするような言葉を浴びせていたという。


 少年が再び目を離している間、スマートフォンからは「落ちろ、死ねや」という内田被告らの声が複数回聞こえてきたという。

 その後、画面を見ると、橋の手すりの上に内側を向いて座る女子高校生の姿が映っていた。

 女子高校生は泣きながら「すみません」と謝っていたという。

 その直後、画面は突然真っ暗になった。

 しばらくして、内田被告の「早く行こう」という声と足音だけが聞こえた。

 その後、少年は内田被告と短く会話を交わした。

 少年
「どうするんですか」

 内田被告
「女子高校生の親が来るから」

 少年は、その言葉を聞き、「迎えに来るのかなと思った」と振り返った。

 その後、車のドアが閉まる音が聞こえ、通話は終了した。

 内田被告からは、通話履歴を削除するよう指示され、口止めもされていたという。

 後日、少年が再び内田被告に女子高校生がどうなったのか確認すると、「親が来て、話し合いで終わった」と説明されたという。

 Q 2度スマホを伏せても通話を切らなかったのは

 「通話を切ったら、Aさんへの暴行を止める人がいなくなって、エスカレートすると思ったからです」

 しかし事件は、最悪の結末を迎える。


■“だまされていた”と気づいた少年 真実を語る決断へ

 その後、監禁容疑で逮捕された少年。

 当初は内田被告の指示通り、あの日のことを話さなかった。

 しかし警察から「女子高校生が見つかっていない」と聞かされ、ビデオ通話で見た内容をすべて説明したという。

 「女子高校生が見つかっていないことと、自分が聞いていた話が違ったので、もう黙っている必要はないと思いました」

 Q だまされたから、従う必要はないと思った?

 「はい」

 28日の法廷で、内田被告を前に証言することに抵抗はなかったかと問われると、少年は「なかったです」と答えた。

■いよいよ内田被告が証言台へ

 これまでの3回の裁判で、ほとんど表情を変えずに座っていた内田被告。

 28日の公判でも大きな表情の変化は見せなかったが、ときおり小さくうなずいたり、少年の声がする方向を向いたりする様子も見せた。

 29日には被告人質問が行われ、4日ぶりに内田被告が証言台に立つ。

 これまで知人らの証言を聞いてきた内田被告が、自ら何を語るのか注目される。

北海道文化放送
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