プレスリリース配信元:株式会社データスプリング
株式会社データスプリング(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:細野 智裕)は、当社が保有する海外パネルを活用し、新興3か国(カザフスタン、スリランカ、バングラデシュ)を対象とした自主調査を実施いたしました。
第一弾では、カザフスタン・スリランカ・バングラデシュのZ世代・Y世代を対象に、世帯構成や職業、所得、家計支出といった基本属性に加え、人生で重視することや理想の生活像、仕事観、日本に対する印象などを通じて、3か国の市場構造と価値観の違いを概観しました。
本記事では、その続編として、第一弾では紹介しきれなかった調査結果の中から、食生活に関するテーマに焦点を当てます。日々の食事形態や調味料の利用、外食・中食の実態などを通じて、3か国の生活者における食行動の違いと、そこから見える消費ニーズを読み解きます。
今後は、第三弾「仕事・住居に関するテーマ」(6月予定)を公開するほか、サブサハラ・アフリカ、中南米、欧州/中東/北アフリカ地域でも調査を進める予定です。
【調査結果ハイライト】
1.食事形態は3か国とも「自炊」が中心
3か国とも平日・休日を問わず、自炊が主軸となっている。
一方で、休日になると外食比率に国別の違いが出る。スリランカでは休日夕食の外食が平日14%から休日26%へ増加し、バングラデシュでは朝・昼・夕すべてで外食比率が上昇する。カザフスタンでは夕食の自炊率が72%と高く、特にY世代でその傾向が強い。


2. 食の重視点は「自炊・中食・外食」で変わる
食事において重視する価値は、自炊・中食・外食のどの場面かによって異なる傾向が見られる。自炊では「安心・健康」、中食では「利便性」、外食では「食の楽しさ」が中心となっており、食事形態ごとに求められる役割が分かれている。自炊では、スリランカとバングラデシュで「安心・健康」が重視される一方、カザフスタンでは「味の良さ」「食費の節約」への意識が相対的に高い。特にカザフスタンのZ世代では節約志向、Y世代ではやや健康志向が強く、世代による違いも見られる。

中食では、3か国共通で「利便性」、特に時間の節約が重視されている。カザフスタンでは食の楽しさ、スリランカでは利便性と家族との時間のバランス、バングラデシュでは手軽さや衛生面への意識が相対的に高い。

外食では3か国共通で「食の楽しさ」が中心となるが、バングラデシュでは家族との時間の比重も高く、外食が家族との交流の場としても位置づけられている。

3. 調味料はカザフスタンが欧米系、南アジア2か国はスパイス系
調味料では、3か国とも「塩」の使用率が高く、基本調味料を中心とした家庭調理が主流であることがうかがえる。一方で、国ごとの食文化の違いも表れている。スリランカとバングラデシュでは、ターメリック、チリ、クミンなどのスパイス類の使用率が高く、香辛料を多用する食文化が特徴的である。カザフスタンでは、トマトペースト、ケチャップ、マヨネーズ、バターなどの使用率が高く、スパイスよりもソース・油脂系調味料への依存が大きい。

4. 自国料理が主流、カザフスタンでは多国籍化も進む
3か国とも、最もよく食べられている料理として自国料理が挙がった。日常の食卓では、それぞれの国の伝統的な料理が中心となっていることがうかがえる。一方で、カザフスタンではロシア料理の浸透が高く、食文化の多国籍化も進んでいる。特にZ世代では、韓国料理、イタリア料理、日本料理への受容性も見られ、若年層を中心に食の選択肢が広がっている。

5. 飲料は「お茶」が主流、健康訴求は国ごとに異なる
飲料では、3か国共通で「お茶」の消費率が高く、日常的な飲み物として定着している。一方で、その他の飲料やアルコール飲料の購入状況には国ごとの違いが見られる。カザフスタンでは炭酸飲料やビールの比率が相対的に高く、Y世代ではビール購入が約5割に達するなど、世代差も見られる。スリランカでは「お茶」と「フルーツジュース」の比率が高く、非アルコール飲料が中心となっている。バングラデシュでは「お茶」の比率が最も高く、アルコール飲料はほぼ見られない点が特徴的である。特にY世代ではお茶やボトルウォーターの比率が高く、日常飲料志向がより強いことがうかがえる。

健康訴求では、3か国共通で「低糖」「ビタミン入り」「天然由来原料」など、成分や素材に関する項目への関心が中心となっている。一方で、重視されるポイントには国ごとの違いも見られる。スリランカでは全項目で関心水準が高く、特に低糖や人工甘味料不使用など、添加物を避ける傾向が強い。バングラデシュでは「ハラール」への関心が高い点が特徴的で、宗教的な適合性を含めた安心感が重視されている。カザフスタンでは「ビタミン入り」や「天然由来原料」など、機能性や品質イメージに関する項目が中心で、添加物回避への関心は他国よりやや弱い傾向が見られる。

6. インスタント食品は日常的な食品カテゴリーに
インスタント食品は、3か国いずれにおいても「週1回」および「週2~3回」の利用が中心となっており、日常的に利用される食品カテゴリーとなっている。中でもバングラデシュでは、「週2~3回」と回答した割合が45%と最も高く、インスタント食品が生活に組み込まれた“準主食的”な位置づけにあることがうかがえる。世代別では、カザフスタンとスリランカにおいてZ世代の利用頻度が高く、Y世代は「週1回」寄りのライトユーザーが多い傾向が見られる。

【最後に】
今回取り上げた食生活の調査結果からは、3か国に共通して自炊が日常の食事の中心にある一方で、食に求める価値や調味料の使われ方、料理ジャンル、飲料、健康訴求には国ごとの違いがあることが分かりました。スリランカとバングラデシュでは、「安心・健康」やスパイスを軸とした食文化が特徴的であり、特にバングラデシュではハラールへの関心も高く、宗教的な適合性を含めた安心感が重視されています。一方、カザフスタンでは味や節約への意識に加え、ソース・油脂系調味料の利用、炭酸飲料やビールの購入、多国籍料理への受容性など、他の2か国とは異なる食の広がりが見られます。また、Z世代を中心に、従来の自国料理に加えて韓国料理、イタリア料理、日本料理などへの関心も広がっており、食の選択肢は今後さらに多様化していくと考えられます。食品・飲料カテゴリーで展開を検討する際には、3か国を一括りに捉えるのではなく、日常の食卓に根づく価値観や味覚、健康意識、宗教的背景、世代ごとの受容性を踏まえた商品設計や訴求が重要になると考えられます。
本調査の詳細な結果(グラフ・国別データ・カテゴリ別分析など)は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。
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