今回のテーマは女子野球です。女子野球の普及を目指す、異色の経歴をもった一人の男性に密着しました。

5月、安芸市と高知市で行われた大学女子野球の全国大会。全国から23校が出場しました。2026年で12回目となる大会に初めての出場を果たしたのが設立5年目の「明治大学女子硬式野球クラブ」です。

東京六大学で初の硬式野球チームである彼女たち、高知の宿舎はバッティングセンターでした。

野球部員:
「バッティングセンターの“ここ”は初めて降りました」

東京から来た彼女たちには強力な仲間がいました。

明治大学女子硬式野球クラブ 2年・柴田優衣さん:
「匠生さんが一番、明治大学に女子硬式野球を残したいという思いが強いと思う」

明治大学女子硬式野球クラブ 1年・野口聖奈さん:
「北海道まで藤崎さんが(スカウトに)来てくれて、すごく熱いというのが最初の印象」

彼女たちから口々に名前が出ているのが、明治大学女子硬式野球クラブの監督で高知市在住の藤崎匠生さん(28)です。

明治大学女子硬式野球クラブ 監督・藤崎匠生さん:
「みんな技術レベルも上がってますし、期待できる」

実は藤崎さん、明治の監督をしながら普段は高知市役所の職員として働いています。高知中央高校時代は野球部に所属。卒業後、県内で消防士として働いていた時、母校に新しくできた女子野球部のコーチとして招かれました。

監督・藤崎匠生さん:
「自分の中で、女の子が甲子園で野球をしてるイメージが全くない中で」

5年前の高校女子野球全国大会。高知中央高校女子野球部が決勝で甲子園の舞台に立ったのです。

監督・藤崎匠生さん:
「ほんと楽しくやってて、ほんとに野球が大好きというのが甲子園にあふれてた」

試合は神戸弘陵に0対4で敗れましたが、堂々の準優勝。

監督・藤崎匠生さん:
「自分が指導していたチームがそこでプレーしているのを見て、女子野球の発展に携わりたいなという思いが強く出てきました」

この甲子園の直後、藤崎さんが取り組んだことがあります。

監督・藤崎匠生さん:
「一人でも多くの少年少女が野球を始めてほしいなという思いがあったので、絵本をつくりました」

高知中央高校の女子野球部を描いた絵本。「女子なのに野球?」と心無い言葉を向けられながらも、仲間とともに甲子園にたどり着くまでの実話です。

そんな中、藤崎さんは新たな進路を選択します。

監督・藤崎匠生さん:
「日本野球の原点が東京六大学ということを知っていたので、その日本野球の原点に女子野球チームがあることで、女子野球界が今後どんどん発展していくんじゃないかなという思いで明治大学に進学しました」

一念発起して4年前、24歳で進学した明治大学に女子硬式野球のチームを立ち上げ監督に就任。選手集めに奔走します。

監督・藤崎匠生さん:
「SNSで『#春から明治』とツイートしてる学生にダイレクトメッセージを送った。『女子野球に興味ないですか?』って300人ぐらいに送った」

苦労が実り、未経験者ばかりながら10人ほどで活動が始まりました。明治大学の学生と女子野球の監督という2足のわらじ。資金調達のため企業へのスポンサー営業も自ら行うなど、チームのために尽力してきました。

そして創立5年目で迎えた初の全国大会。初陣の相手は全国屈指の強豪・新潟医療福祉大学です。

1回表の明治の攻撃、先頭バッターは野球と勉強の両立を目指し明治にやって来た柴田さん。センター前ヒットでいきなり出塁します。得点にはつながりませんでしたが、チームに笑顔が生まれます。

その裏の守り、相手の先頭バッターのショートゴロをしっかりアウトにします。しかしその後、フォアボールとヒットでピンチを招き、ワイルドピッチで先制を許すと2回までに18点を失う苦しい展開に。

それでも選手たちは最後まで全力プレーを貫きました。結果は、明治大学0-19新潟医療福祉大学(4回コールド)。

監督・藤崎匠生さん:
「5年後、10年後、このチームの価値はどんどん大きくなってると思う。それをつくるのはここにいるみんな。明日からも前向いて」

1年・野口聖奈さん:
「やっぱり楽しいです。すごく。この野球の楽しさを伝えていって今後、高校女子野球や大学女子野球など続けていけるような環境がもっとできればいいな」

監督・藤崎匠生さん:
「ゆくゆくは日本野球の原点の東京六大学に全て女子野球部があるという未来があればうれしい」

全体の野球人口は年々減少していますが、女子野球の人口は急上昇中です。2016年度に74チーム、競技人口は約1776人だった女子硬式野球、2025年度では138チーム、競技人口3561人と、10年で約2倍になっています。

高知さんさんテレビ
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