いまだ先が見通せない中東情勢。
「ナフサ」不足で値上げの動きが出ている製品の一つが「紙おむつ」です。
介護にもかかせない必需品ですが、福岡の現場を取材しました。
福岡県北九州市で施設向けの介護用おむつなどを販売している会社「ペルソナ」です。
いまだ先が見通せない中東情勢の影響もあり、この夏、おむつ類の大幅な値上げの可能性をメーカー側から伝えられているといいます。
◆ペルソナ 金礪賢爾 代表取締役
「ここが吸水する部分」
Q.ここがナフサ由来?
「ナフサ由来です。これが高騰するってことは、レベルの違う価格の設定にせざるを得ないんじゃないか」
ナフサ由来の原料高騰を受け、大王製紙が8月から15%以上の値上げを決めるなど、紙おむつの大手メーカーは相次いで値上げを発表しています。
◆ペルソナ 金礪賢爾 代表取締役
「元々が利益は薄利多売の世界。紙おむつ単体での商売をやっているところはもう無いんじゃないですか」
そもそも原材料費や輸送費の高騰でこれまでも値上げが続いていたおむつ類。
取り扱い量が少ない中小企業に今回のナフサ不足はさらなる追い打ちをかけています。
◆ペルソナ 金礪賢爾 代表取締役
「発注はほぼ無い状態。大手さんとの価格競争に負けて、中小企業、僕らみたいな零細は特にそれが直撃です」
いっぽうおむつが欠かせない介護の現場も、値上げには複雑な思いです。
北九州市にある介護付の老人ホーム「リンデンバウム日明」。
現在約50人が入居していて、そのうち約半数の人が介護用のおむつ類を使用しています。
◆リンデンバウム日明 吉武正太ケアマネージャー
「こちらはいわゆるテープ止めおむつ。この中に尿取りパッドを当てるように使って、交換するときはこちらだけを交換する。3時間おきとかになると8回ほど交換することになる」
施設全体でひと月に約3000枚のおむつ類を使うというこちらの施設。
種類によっても値段は違いますが、あるおむつは現在1枚当たり約135円で更なる値上げの情報があっても、製品を安いものに変更したり交換の頻度を減らしたり、といった対応は入居者の健康を考えると難しいと話します。
◆リンデンバウム日明 吉武正太ケアマネージャー
「皮膚状態が悪い方はやっぱりこまめに交換してきれいにする。なかなか難しい。今までも小さい値上げがずっと続いてた。正直、値段が上がるだろう」
施設内で使うおむつは基本的に入居者側の負担となりますが、施設側にとっても値上げは大きな不安材料です。
◆リンデンバウム日明 吉武正太ケアマネージャー
「負担が入居者・ご家族にかかってくるものなので、入居者の確保が難しくなるのかなという心配はありますね。値上がりはしているが、何とか調達はできている。オムツ類が来なくなったらちょっと大変。どこの老人ホームも介護施設もとても困るんじゃないか」
おむつの値上げは子育て世代の家計も直撃します。
例えば、大王製紙は紙おむつや生理用品などの全製品を8月納品分から15%以上値上げしますが、具体的には紙おむつのシリーズ「グーン」だと公式オンラインサイトで税込み1700円で販売されているので、これが単純計算で1955円以上となります。
おむつの使用頻度は多いので家計にとっては大きな影響です。
医療や介護現場への影響については、おむつ代は医療保険の適用外なので、値上げとなると患者や入居者の負担が増えることになります。