解散風はそよ風に変わった

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土曜日のゴルフで「風はどうか」と聞かれた安倍首相は「そよ風だ」と答え、解散風が止んだことを明らかにした。どうやら解散なしで参院選シングル、消費増税は予定通り、の線で最終調整中らしい。

麻生さん 上から目線はダメですよ

そんな微妙な情勢の中、麻生さんがまたやらかした。所管の金融庁が「老後に2000万円足りない」という報告書を出したのだ。

報告書そのものは間違っていない。だからまとめた金融審議会も、出した金融庁も悪くない。ただ乱暴だ。株を買ったこともない庶民に資産増やせというのは野党の言う通り、上から目線だ。でも官僚や学者の、上から目線を是正するのが政治家の仕事なのだ。麻生さんはじめ古い自民党の人達にはそういう努力が欠けている。

年金制度をオモチャにするな

ただ野党の批判も意味不明。立憲民主の蓮舫さんは「国民が怒っているのは百年安心がウソだったことだ」と、青筋立てて怒ったが、今の年金制度は百歳まで年金だけで賄えるなんて誰も言ってない。年金制度そのものが破綻しないだけで、個別の財政事情はある。年金だけですべて賄えるなら社会主義国ですよ、蓮舫さん。しかもそんな社会主義国はない。

枝野代表はこの2000万円問題が参院選の争点、と言ってるがやめといた方がいい。理由は簡単、選挙に負けるからだ。

この四半世紀、今の野党の人達のいろいろな年金政策を聞いたが、残念ながら現行制度を超えるものは一つもない。野党および無責任な一部メディアの皆さん、僕らの年金制度をオモチャにしないでくれ。

社会保障の根幹について、きちんとした対案を出さずに政府の批判だけする、
という戦い方は、もうまともな人には相手にされない。そういうことをしても一生政権は取れない、ということにそろそろ気付いてほしい。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
【4コマ漫画:横川寛人】

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。