高市総理大臣は25日夕方、中東情勢に伴う物価高騰への対応として総額3兆円強の補正予算案を編成し、来週にも国会へ提出すると発表した。
補正予算編成の狙いについて高市総理は、「リスク最小化の観点から万全の態勢をとるものだ」とした。
補正予算の規模
具体的には昨年度の補正予算で2兆円計上した重点支援地方交付金について、特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地域の実情に応じた支援を強化できるよう追加措置する。
また、電気・ガス料金支援のために、26日に使用を決定する一般予備費の残高を、1兆円に復元する。
あわせて、今後への万全の備えのためとして、「中東情勢等対応予備費」を新設し、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰など、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用する考えを示した。
補正予算の財源
財源について高市総理は、「真に緊急性のある一時的な対応として特例公債を追加する」と、赤字国債を発行して充てる考えを示した。
一方で、税収などが想定より増えたことで、6月までに予定していた2025年度分の発行が不要となるため、「国債発行予定額全体の中で調整を行うことで、市中への発行総額は増やさずに対応することができる」「国際マーケットに影響を与えることなく実行可能と考えている」と強調した。
電気・ガス料金支援
高市総理は、補正予算の編成により、使用量が多くなる7~9月の電気・ガス料金を支援すると表明した。
具体的には、家庭の電気代で1kWhあたり3.5~4.5円支援することで、標準的な家庭では電気・ガス料金合わせて3カ月で5000円程度の負担引き下げとなる見込みだとしている。
中小企業支援
高市総理は、中東情勢の影響を受けている中小企業に対し「政府政策金融公庫による資金繰り支援の拡充、価格転嫁の要請、特別相談窓口の設置、雇用調整助成金の活用の支援などの支援を講じている」としたうえで、今後さらに民間金融機関からも支援が受けられるよう「業況が厳しい業種を追加指定し、信用保証による支援を強化する」と表明したほか、「取引Gメンや建設Gメンなど1000人体制で中東情勢の影響を重点調査し、価格転嫁の徹底を図るなど支援を強化する」と述べた。
原油の見通し
政府は、中東に代わりアメリカなどからの原油の調達を進めている。
高市総理は、6月の代替調達は8割程度まで引き上がるとの見通しを明らかにしたうえで、「仮に代替調達が6割で継続したとしても、年度を超えて来春まで石油の安定供給を確保できる」との見通しを示した。
また、インクや医療用手袋などの原料となっている石油化学製品ナフサも、代替調達を進めた結果、供給量は従来の8割超まで回復したと強調するとともに、供給見通しの共有不足や実績以上の発注などで起きている物資不足について、「目詰まり対策をきめ細かく進め、買いだめや売り惜しみを解消して、オイルショックの時のような市場の混乱の回避に全力で取り組んでいく」との考えを示した。
省エネ呼びかけへ
高市総理は、「石油については、年度を超えて日本全体として必要な量は確保されていて、ナフサおよび石油製品についても年を越えて供給可能だ」と改めて強調したうえで、「オイルショック以降、毎年エネルギー需要が増大する夏と冬の前に行ってきた省エネの呼びかけを行う」と表明した。
26日にも、赤沢経済産業大臣が詳細を発表するという。
一方で、国民生活や経済に支障がない範囲での省エネを呼びかけるとして、高市総理は「現時点では経済活動にブレーキをかけるような形で踏み込んだ節約をお願いする段階にはないと考えている」との考えを示した。