岩手県が発表している特別支援学級や特別支援学校に通う児童生徒数の推移をみると、少子化の中ですが、児童生徒の数は増え続け10年前に比べ約2000人増えています。
また、社会のニーズは日々多様化しています。そんな中、二戸市に新しい支援学校が誕生しました。
障がいがある子どもたちのこれまでと今を見つめます。
県北二戸市。JR二戸駅の向かい側に新しくできた学校があります。二戸北星支援学校です。知的に障がいがある子や体が不自由な子が通っています。
県北で暮らす障がいがある子どもたちの多くは、これまで市内の学校の校舎を間借りする形で盛岡みたけ支援学校の「分教室」に通っていました。
「地域にも支援学校を」との要望もあり、2026年春、小中高一貫校が誕生しました。
中学部の生徒は「二戸北星支援学校、楽しいです」と笑顔で話します。
障がいがある子どもたちの教育、その道のりは平たんではありませんでした。
岩手大学教育学部の鈴木恵太教授は次のように話します。
「戦後、日本国憲法や教育基本法に障がい児を含めた全ての児童が、教育を受ける権利があるのだということが保証されていく、それが養護学校ができた大きな背景」
1970年代に、知的障がい、体の不自由、病弱を対象とする養護学校が義務化されました。
しかし、全ての子どもたちが教育を受けられたわけではありませんでした。
岩手大学教育学部 鈴木恵太教授
「就学免除とか就学猶予というのがあって、それによって彼らは教育制度から除外されていく」
学びの場が整えられていく一方で、かつては「就学免除」という制度があり、重い障がいのある子どもたちは教育の場から外れていました。
県内では、教育を受けられずに過ごし70代になって中学校に入学した女性もいました。
2000年代に入り、養護学校は特別支援学校と名称を変更。より障がいに応じた教育が行われるようになりました。
岩手大学教育学部 鈴木恵太教授
「特別な場で(分けて)行うそれまでの特殊教育から、一人一人のニーズに合わせて行う特別支援教育に変換」
新しくできた北星新支援学校。
中学部の絵を描く授業ですが、中には床に座り込んでしまう生徒もいます。
焦らず、生徒の気持ちが整うのを待ちます。
中学部の担任
「それぞれのペースでいいので、自分ができることを一つずつ力つけて伸ばしていってもらえればいい。それが卒業した時に力になったり自信につながっていくと思う」
学校では、他校との交流にも力を入れています。
新しい学校は、北桜高校と隣接。廊下でつながる北桜高校の校舎に高等部の教室があります。
高等部の生徒
「友達と会話するのが楽しい。北桜高校さんとの綱引きが楽しみ」
Q:北桜高校と校舎が一緒だがどんな気持ち?
高等部の生徒
「毎日会えてうれしい」
小学部は、以前「分教室」を間借りしていた石切所小学校へと出かけました。
北星支援学校の新しい交流の形です。
二戸北星支援学校 田淵健校長
「地域全体を学びの場にしたい。学校を飛び出して地域が教室、地域の方々はクラスメイトや先輩後輩。地域の方にもたくさん見にきていただきたい。建物の中を飛び越えたような地域全体を学びの場にしたい」
一人一人に合わせた学びが広がる二戸北星支援学校。地域と共に新たな一歩を踏み出しています。