近年、ミツバチに異変が起きています。今、温暖化などの影響で地域によっては絶滅する恐れがあるのです。

影響ははちみつだけにとどまりません。イチゴやメロン、たまねぎ、キャベツなど多くの作物が、実をつけるための受粉をミツバチに頼っているため、私たちの食卓に大打撃となる恐れがあるのです。

解決策として登場したのは、なんとハエ。「ビーフライ」と呼ばれるこのハエは、ミツバチと同じ動きをしてくれるそうです。

■“ミツバチ危機” 養蜂家「ピンチ」と悲鳴

奈良県大和郡山市にある養蜂場。ここでは数百万匹ものミツバチが飼育されています。

【田中養蜂場・田中将人さん】「天気が良くて花の状態が良ければはちみつが採れる」

今がハチミツがとれる最盛期。

ミツバチ1匹が生涯で集める蜜の量は「ティースプーン1杯分」と言われています。

■イチゴ・メロンも受粉をミツバチに頼る

ハチミツを作る以外にもミツバチが担うもう一つの重要な役割、それが「農作物の受粉」です。

イチゴやメロン、たまねぎ、キャベツなど多くの作物が、実をつけるための受粉をミツバチに頼っているのです。

しかし、近年このミツバチたちに異変が…

【田中養蜂場・田中将人さん】「減っているというか、ピンチですね」

地球温暖化による猛暑や“ミツバチヘギイタダニ”という寄生虫の増加などにより近年ミツバチが激減しているというのです。

国連の報告書では、世界中の農作物のおよそ7割が受粉をハチに頼っており、はちみつが採れなくなるだけではなく、農作物が生産できず食料危機に陥る懸念が指摘されています。

■「地域によっては絶滅のリスクも」専門家が警告

この問題についておよそ30年間、蜂を研究してきた京都産業大学生命科学部の高橋純一准教授も、深刻な現状を指摘します。

【京都産業大学 生命科学部・高橋純一准教授】「世界的にミツバチが不足しているということが明らかになったのは2006年前後。

猛暑の時は、ミツバチも弱ってしまう。女王蜂が卵を産まなくなったり、さらに高温になると巣自体が溶けて落っこちたりとか。

ミツバチが生息できるような環境を維持できなければ、地域によっては絶滅してしまうリスクもあると考えています」

■花粉を運ぶ救世主「ハエ」

ハチの絶滅が危惧される中、新たな対策もあるということで、取材班は兵庫県・淡路島のイチゴ農場へ。

なんと、こちらのイチゴ農場でミツバチと一緒に働くのは“ハエ”です。

その名も「ビーフライ」。英語で「蜂のような働きをするハエ」という意味です。

ビーフライはヒロズキンバエという種類で、クリーンな環境で育てられており、不快なにおいや病気の媒介といった心配はないということです。

ビーフライの強みは暑さへの耐性。

【開発元】「今30度とかハウスの中ありますけど、活動してくれてる。ハエがいてくれることで、ちゃんときれいに交配して受粉活動をしてくれます」。

ミツバチが苦手とする高温環境でも動き続ける。

食糧危機回避の新たな救世主として、その可能性が広がっています。

■減少するミツバチ どう守る?

世界的なハチミツの産地として知られる中央アジアの国「キルギス」。

絶滅の危機からミツバチを救うために必要な事を、「newsランナー」ではおなじみ、万博のキルギスパビリオン担当者・アジスさんにお聞きしました。

【アジスさん】「キルギスは自然が広いのでなかなか問題はまだまだですが…ハチがもしいなくなったら、人材がなくなるという意味なんです」

キルギスではミツバチを第一に考えて人間は少しの量だけをとりあとはミツバチに蜜を残すという考え方で採取しているといいます。

そしてミツバチの専門家、高橋准教授も今私たちにもできることはあるといいます。

【京都産業大学 生命科学部・高橋純一准教授】「ミツバチのエサとなるような植物を植える、周りの環境を維持するような貢献というのは一人一人ができるんじゃないかなと思います」

私たちの食卓を支えてくれるミツバチ。

環境が変化する中で、生き抜く場所を整えることが必要になっています。

(関西テレビ「newsランナー」2026年5月20日放送)

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