イベントや記念日に欠かせない「バラ」、愛知県が日本一の産地ですが、長引く中東情勢の混迷でピンチを迎えています。
■値上げの波はバラにも…日本一の産地を直撃
バラを送り感謝を伝える6月2日の「ローズの日」を控え、愛知のバラをPRするため、生産者らが21日、愛知県庁を訪れました。

愛知県はバラの生産量・出荷量ともに全国1位を誇りますが、今、このバラがピンチを迎えています。
名古屋市千種区の生花店「ハピネスフラワー」では、赤やピンク、花びらの形も様々な国産のバラ4種類を販売しています。

最高品質のバラの値段は、今年2月ごろには切り花1本500円から600円ほどでしたが、4月ごろから徐々に値上げし、今では1本990円となりました。
ハピネスフラワーの店長:
「(客に)びっくりはされます。浸透するまでには時間がかかってしまうので、商売していて心苦しい」

値上げに踏み切った原因は、中東情勢の混迷に伴うあらゆるものの価格高騰です。
花の仕入れ値の高騰はもちろん、花を贈り物として仕立てるための材料の仕入れ値も軒並み高騰しています。
例えば、吸水スポンジは原油由来の樹脂で作られているため、先月ごろから仕入れ値が1つ70円ほど上昇しました。さらに、ラッピング用のフィルムも、3割ほど仕入れ価格が上がったといいます。

様々なものが値上げする中、その分すべてを販売価格に反映できるわけはなく、店側は苦しい状況に置かれています。
ハピネスフラワーの店長:
「23年ぐらい花屋さんをやっているんですけど、初めてです。大体これぐらいかなと思う想像をだいぶ超えてくる」
■花を育てるポットが…「経験ないほど深刻」
愛知県稲沢市にある水谷農園では、世界30か国ほどから仕入れ、日本の気候に合うように改良を加えた苗や、ギフト用のバラなどを販売しています。

農園の社長、水谷勇さん(68)は、中東情勢の影響が46年のキャリアの中で経験のないほど深刻だと話します。
水谷農園の水谷勇社長:
「この色がポットメーカーから『作れない』という連絡を受けました。今まで入荷していたものが入荷できない。取引先が廃業する。それに伴って代替商品を探さなければいけない」
バラを育てるためのプラスチック製のポット。ブランドの差別化のため、品種に応じて色を変えてきましたが、先月、突然メーカーから「黒と白しか作れない」と通達がありました。

さらに今月には…。
(リポート)
「こちらの段ボールには会社の名前などが印刷されていますが、今月納品された段ボールには印刷がありません」

ナフサ不足に伴うインクの品薄が原因です。
水谷農園の水谷勇社長:
「過去の経験は基本的にはないです。例えば、オイルショックやリーマンショックがあったり、日本では東北の震災があったりしたが、今の中東のように長く首を絞められるようにジワジワというかたちではない。元の状態に戻ってくれるのが1番いいですけど、すぐ戻るとは思えないですね」
