カツオの町として知られている高知県中土佐町久礼。そんな久礼が全国のアンケート調査の結果「日本一カツオ愛が強い町」に決定した。

カツオを食べることが好きな人の割合
カツオを食べることが好きな人の割合
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1位の久礼は、カツオを食べることが「とても好き、または好き」と答えた人が全体の8割を占めている。76%が「とても好き」と答える高知県民全体よりも高く、その愛の大きさがわかる。そんな日本一カツオを愛する久礼の町を、三木優花アナウンサーが取材した。

例年以上の豊漁!活気づく久礼新港

カツオとともに生きる町、中土佐町久礼。久礼新港には水揚げされたばかりの新鮮なカツオがずらりと並んでいる。

今年は豊漁で味もよいということ。本格的に旬を迎えている初ガツオだが、久礼漁協によると2026年の初ガツオは例年より2週間ほど早い2月下旬からとれ始めた。その後も漁獲量が安定しており、1日の平均は4トンから5トンで、2025年より多いという。

水揚げされ港に並ぶ初ガツオ
水揚げされ港に並ぶ初ガツオ

2026年2月1日から5月14日までの水揚げ量は243トン。4月までの3カ月間の水揚げ量は、2025年の同じ時期と比べて2倍以上にのぼる。安定した漁獲量に加え、今年は味も上々だそう。

田中鮮魚店の田中隆博社長は、今年のカツオについてこう語る。

「典型的な春のカツオがずっと2か月近く(取れている)。早めに取れ始めて早く終わるかなと思ったら全然終わらず、まだ取れている。久礼の漁師やおんちゃんたちが一番好きな小さい初ガツオのおいしいのがすごく多い。初ガツオらしい。秋のカツオが濃厚だとすると、春のカツオはフルーティー」

初ガツオの魅力を語る田中鮮魚店の田中社長
初ガツオの魅力を語る田中鮮魚店の田中社長

町の至る所にカツオ!驚きの「カツオ愛」

久礼の町を歩くと、その「カツオ愛」の深さを実感する。

カツオが力強く描かれた町の消火栓の蓋
カツオが力強く描かれた町の消火栓の蓋
いたるところにカツオが描かれている中土佐町久礼
いたるところにカツオが描かれている中土佐町久礼

例えば、町の消火栓の蓋や神社にはカツオが描かれている。町のいたるところにカツオの姿があり、ここからもカツオへの愛情が存分に感じられる。

カツオで地域活性化を目指す「シン・鰹乃國プロジェクト推進協議会」が、久礼地区と47都道府県の約4万5000人を対象に「カツオへの愛着度」についてアンケートを実施。その結果、久礼が堂々の1位に輝いた。

町民に話を聞くと、「当然のことやと思います」「ええことや」「やっぱり日本一おいしい!」と、誇らしげな笑顔を見せてくれた。

カツオ愛について笑顔で語る久礼の女性
カツオ愛について笑顔で語る久礼の女性

「生活の一部」町民たちのカツオ消費量

久礼の住民がカツオを食べる頻度を表したグラフ
久礼の住民がカツオを食べる頻度を表したグラフ

アンケートによると、カツオを食べる頻度も日本一だという。久礼の人は「毎日食べる」という人が4.9%。久礼以外の高知県民で毎日食べる人は1%のため、約5倍という結果に。「週に1回以上食べる」人も35%にのぼる。

「毎日カツオは食べん。2日に1回ぐらいかな」

「さばき屋が友達やき(その友達は)包丁入れたら分かるんよね。『今晩のカツオはええぞ』って言ったら買いよる。ぜいたくな話。いつも大体おいしいけどきょうのはおいしいと思うのはやっぱり今の初ガツオ。今年はめちゃくちゃおいしい」

目利きに優れたプロがいる町だからこその買い方もあるという。

カツオとともに生きる

田中鮮魚店の田中社長は、アンケート調査を実施したプロジェクトの幹事長も務めている。

久礼の人にとってのカツオとは
久礼の人にとってのカツオとは

「カツオが食べるのが好きってだけじゃなくて、生活の中の一部としてカツオが兄弟とか家族みたいな感じでこの町に根付いているから、カツオに対する愛情がすごく強いんじゃないかな」

久礼出身で東京の大学に進学し、「商社マン」として20代を過ごした田中社長。その後、Uターンして30年以上カツオをさばき続けている。

漁師たちと談笑しカツオを見つめる田中社長
漁師たちと談笑しカツオを見つめる田中社長

「小さい時は魚さばくの嫌だったから、できるだけ店から逃げてた。逃亡してた。都会や海外でも生活したけど、カツオとともに暮らす漁師の生活は非常に興味深く面白そうだと思ってカツオと一緒に30年間走り続けたみたいな状態」

カツオは単なる魚ではなく、久礼の人々にとってかけがえのない「家族」のような存在なのだろう。今年の極上の初ガツオを味わいに、ぜひ久礼を訪れてみてはいかがだろうか。