中東情勢の緊迫化の影響が広がっている。住宅建築の現場では、「ナフサ」の供給が不安定なことで、建築資材の品薄状態や値上げが続き、施工業者は対応に苦慮している。
「合板が手に入らない」
長野市で建設が進む新築住宅。
9月の完成に向けて工事が進んでいるが、今、施工業者はあることに頭を悩ませている。
しなのいえ工房・小嶋健二常務取締役:
「構造用合板が手に入らなくて。ちょっと使う材料、建材を変えたっていう経過があります」
住宅の床や壁の建材となる「合板」や屋根材の下に敷く防水シート、窓回りに使うパッキンなど、多くの建築資材が3月中旬ごろから手に入りづらくなっている。
理由は、中東情勢の緊迫化。
建築資材の多くに使われている原油由来の「ナフサ」や「アスファルト」の供給が不安定となっていて、品薄状態が続いている。
影響はナフサ由来でない資材にも…
影響は、ナフサ由来ではない建築資材にまで及んでいるという。
しなのいえ工房・小嶋健二常務取締役:
「ナフサ系の断熱材が手に入らなくなったので、グラスウールに代替として流入してきているっていうのはあると思う。仲間の工務店にお話を聞くと、ちょっと入手に苦しんでいるとかっていうことは耳にします」
こちらの施工業者では、すでに契約している新築住宅については、資材を確保しているため、納期に影響はないという。
ただ、今後は不透明で、リフォーム工事については、すでに納期遅れも出始めているという。
「断熱材が40%値上がり」
「ナフサ」の影響は資材価格にも。
こちらは、ナフサ由来の発泡ポリスチレンでできた断熱材。
冬の寒さが厳しい信州の家には欠かせないが、4月から大きく値上がりした。
しなのいえ工房・小嶋健二常務取締役:
「4月1日からもう40%値上がりした。今までの値上げって5ポイントから10ポイントですみたいな話が多かったんですけど、今回はオーダーがちょっと違う」
住宅価格は1割アップ
他の建築資材の値上げも続いていることから、こちらの施工業者は、4月から、見積もりの際に「予備費」を設けて対応している。
住宅の価格は、中東情勢の緊迫化以降、1割ほど上がったという。
しなのいえ工房・小嶋健二常務取締役:
「今いろいろ建築費が高騰していて皆さん、普通に家を建てるっていうのがどんどん難しくなっている。3000万円だったら300万円のアップっていうことになりますので、非常に負担としては大きいんでしょうけれども、われわれの手取りが1割増えるわけではないので」
政府「流通に目詰まり」
高市総理:
「ナフサ由来の化学製品の供給は、これまで半年以上とお伝えしてきたところ、さらに延びて、年を超えて継続できる見込みとなりました」
「ナフサ」をめぐって政府は、「必要な量は確保されているものの、流通の目詰まりが発生している」との認識を示している。
現場からは、安定した供給を望む声が聞かれる。
しなのいえ工房・小嶋健二常務取締役:
「何か1つ欠けただけで建築っていうのは完成しませんから。われわれそうすると引き渡しができなくなり、ご入金もいただけなくなるっていうことで経営が非常に苦しくなりますので。使いたいときに使う分だけきちんと手に入る状態になっていただけるとありがたい」
