5月6日、磐越道で北越高校男子ソフトテニス部の部員が乗るマイクロバスがガードレールに衝突する事故があり、21人が死傷した。
死亡したのは北越高校の稲垣尋斗さん(17)で、死因は失血死と判明。稲垣さんは また、バスに乗っていた5人が足の骨を折るなどの重傷を負った。ソフトテニス部は全国大会に出場するような強豪校で、福島県に遠征するためバスで移動していたという。

バスには部員20人と運転手の男性1人が乗っていたが、そのナンバープレートは緑ではなく、白の「わ」ナンバー、レンタカーだった。
このレンタカーの使用とドライバーについて、バス会社と学校側の意見が真っ向から食い違っている。
バス会社「学校側がレンタカー要望」
バスの手配をした蒲原鉄道は6日会見し、北越高校とは以前から部活動の遠征などの際に使用する貸し切りバスの発注などで付き合いがあり、今回は男子ソフトテニス部の顧問から同社の営業担当者に対して、「今回は貸し切りバスを使わずに、レンタカーを使って送迎をしたい」との相談があったと説明。
レンタカーの手配を無償で行った他、ドライバーについても、紹介して欲しいとの依頼が顧問から会ったために、営業担当者の知人の知人である若山哲夫容疑者(68)が運転する事になったと話していた。
この蒲原鉄道の説明について、北越高校は7日夜の会見で完全否定した。
学校側“レンタカー・ドライバーの手配依頼”を否定
北越高校の灰野正宏校長は、学校側がレンタカーの手配とドライバーの紹介を依頼したとの蒲原鉄道の説明について、「4月の上旬に人数、場所、行き先等を提示して、これで行きますので、バスの運行お願いしたいと、顧問の方から蒲原鉄道の方に依頼をしたというふうに確認しているところです」
「具体的にレンタカーを手配してもらいたいとか、学校の方から運転者を紹介してもらいたいといったことは伝えていない。そういった事実はないというふうなことも確認をしています」「私どもとしては、当然バスの運行をお願いしています。ですので、レンタカーにしてください。それから運転手も紹介してくださいというふうなことをお願いするはずがない」と完全否定した。
否定の根拠は顧問の証言だけ
記者からは、業者の説明を否定した根拠について繰り返し質問が飛んだ。
灰野校長によると、蒲原鉄道とやり取りをしていたのはソフトテニス部の顧問で、顧問は今も事故現場近くいいるため、電話などで聞き取りを行い、顧問の証言を元に蒲原鉄道の説明を否定したとしている。
記者から見積書について問われると、「見積書は取っていません。ですが、部の顧問にそこの状況については確認をしたところでございます」と見積書を取っていない事を明らかにした。
校長は、「今回に限らず、こうした遠征等でバスを利用する場合には、こういう形で依頼をするということで、書面を取り交わすということはしていないというふうに聞いております」とも説明。

金額については、「だいたい同じ場所、近い場所に行くと、いくらぐらいという事が過去、業者さんとの間であったので、大体このくらいだろうということで、特にお金の部分で細かい詰めはせずに、今申し上げた形で、人数、場所、行先と、こうするのでお願いしますという、形で依頼をしていたということだそうです」と説明した。
顧問と業者とのやり取りは電話で、文書やメールのような物証については「ございません」としている。
その上で、「(顧問が)近々戻ってきた段階で、そういうものがないのかも含めて、改めて、しっかりと聞き取りをしたいというふうに思います」と述べた。
蒲原鉄道に依頼した理由
蒲原鉄道との関係については、「令和七年度については9回。令和六年度については11回。令和五年度については8回蒲原鉄道を利用しています」と説明。
蒲原鉄道に依頼した背景として、「業務担当の方が長くから。古くからこの学校に出入りをしている。そういう関係もあって頼んできたというふうなことでございます」と説明した。
“お金の問題でレンタカー”も否定
蒲原鉄道側は、学校側がレンタカー使用を依頼した理由について、「青ナンバー(貸し切りバス)よりも安い方をと聞いてくるので、お金の問題だなと思っています」と説明していた。
この説明について、灰野校長は「事実ではございません」と否定。
部活動の遠征での移動費用については「ソフトテニス部の部員から徴収する」「正直、かなり負担にはなる」と説明しながらも、無理な価格の要求は無かったのかとの質問には、「価格を提示してこれでやってくれ、というふうなことを部の顧問からは聞いていません」と話した。
レンタカーに違和感は
記者からは、貸し切りバスを手配したのに、白ナンバーのレンタカーが来たらおかしいと感じなかったのかとの質問も飛んだ。
校長は、「こちらとしてはバス事業者である業者にお願いする以上は、当然それに見合ったクオリティのバスを差し向けていただけるというふうに思っています。ですから、簡単に白である、緑であるということを見分けるのは思いが至らないというところがあると思います」と説明。
バス会社に貸し切りバスを発注した段階で、「安全で安心な運行が当然できるものだという風に認識しております」と話した。
