3年後の開業を目標に福井市中心部に整備が計画されている福井アリーナ。この春「アリーナ整備促進課」が新設された福井市では、13日に今年度初めてのアリーナ特別委員会が開かれ、今後のスケジュール感や財源などが議論されます。建設に向けた動きが加速する一方で、今年に入り中東情勢が不安定化し、経済界からは更なる計画の変更の可能性が示唆されています。資金・計画などの不安を残して走り始めたアリーナ建設の現状を取材しました。
萩原聡一朗記者:
「福井アリーナが建つ予定の東公園では、4月から埋蔵文化財の発掘調査が始まっています」
建設予定地の東公園では、年内いっぱい埋蔵文化財の発掘調査が行われ、来年から本格的なアリーナの建設工事に乗り出す予定です。
アリーナ建設の旗振り役として動いている福井市では今年度、アリーナ整備促進課が発足。▼アリーナや周辺環境整備のための連絡調整▼市民全体への機運醸成▼財源確保などに取り組む体制を整えました。
また、今年度の当初予算には福井アリーナ整備支援などに約4億4000万円が盛り込まれました。福井市アリーナ整備促進課の落合大輔課長補佐は「2年後の秋の竣工を目指して、課題を1つ1つクリアしている」とします。
去年8月に策定された事業計画では▼完成は再来年の秋▼建設費用は150億円とされています。費用のうち60億円は、国・県・福井市が負担する税金です。しかし、建設に向けた動きが始まったさなかに中東情勢が不安定化。さらなる建設コストの上昇や資材の供給不足といった懸念が生じています。
実際に、整備主体の経済界は3月に「中東情勢が長期化するのであれば、最終的に実施設計における見積価格も変わってくるので、完成時期をどうするかも選択肢に入れざるを得ない」との意向を示しました。
これを受けて石田知事は「スケジュール・整備費については、整備会社が進める実施計画において精査されていくもの」と言及しました。
福井市は建設費用について、これ以上は税金から支出しないとしたうえで「整備費150億円には、建設が始まる1年先までの物価上昇分は織り込まれているが、さらに上がったときは、その時に初めて方向性が出てくる」としています。
そして、経済界が調達する90億円の確保についても「国の交付金が出たことで、これまで半信半疑だったが、出資をしてくれる企業も増えるのでは」として、来年度以降の本格着工に間に合うよう財源確保に取り組んでいくとしています。
現時点では計画に遅れはありませんが、もし計画が遅れる場合は「整備・所有会社『福井アリーナ』から、しかるべきタイミングで延期を公表するのでは。いま、市として何かコメントするものではない」とします。
あくまでもアリーナは民間が建設・運営する「民設民営」。整備計画については、整備・所有会社の「株式会社福井アリーナ」が責任を持つ、というスタンスです。
一方、市が一番の課題としているのは、騒音や違法駐車を懸念する周辺住民への説明だとします。落合課長補佐は「県外からの交流人口拡大を目指す。県都中心の福井駅から近いというメリットは大きい。経済界も強調している」と整備の意義を主張したうえで「地域の人に、アリーナを使ってほしい。『良いところもある』ということを理解してもらうために、時間をかけて説明していきたい」としています。
中東情勢が安定する兆しが見えない中、資金や計画などの不安を残して走り始めたアリーナ建設。5月13日には市議会で特別委員会が開かれ、今後のロードマップが示されます。