携帯電話をわずか2回タップするだけで送金させられてしまう巧妙な手口。PayPayに誘導して不正に送金させる“詐欺メール”が急増している。特に今、急増しているのが『日本年金機構』から送られてくる詐欺メールだ。

『日本年金機構』から届く差押予告

2026年5月上旬、記者のもとに届いた意外なメール。差出人は、『日本年金機構』となっていて件名は『差押予告通知書』。

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『期限までに未納保険料1万8500円を納付しない場合、財産を差し押さえる』などと記載されている。

メールが届いた記者は会社員で、通常、給与から自動的に税金等が差し引かれた金額が支給されているため、年金の未納保険料に心当たりはない。

そもそも送られてきたメールには、『最終通知』と書かれているが、その後も連日、『最終通知』が計15回も届いている。

PayPayアプリから送金させる

メールの文面を読むと、『PayPayアプリを開いて支払う』とのボタンがあり、この詐欺メールでは、PayPayでの送金を要求している。

リンクをタップすると本物の『PayPayアプリ』に誘導される。

送金相手のアイコンには、『年金機構』のロゴマークが使用され、実に精巧に偽装されている。うっかりボタンをタップしてしまうと、“詐欺アカウント”に送金されてしまう仕組みだ。

『日本年金機構』では、こうした事態が相次いでいるため、5月7日にホームページで、『日本年金機構では、メールで支払いを促すことはありません』『絶対にアクセスしないでください』と不審なメールなどへの注意を呼びかけている。

こうしたPayPayに誘導する悪質な詐欺メールは、『日本年金機構』だけではない。記者のメールの『受信箱』を見ると、他の“詐欺メール”も複数届いていた。

記者が契約した記憶がない『2026年3月分楽天カード23960円 PayPay決済』や、中国語で書かれた『国民健康保険料納付通知納』など、怪しい件名のものがいくつも確認できた。

TNCが調べたところ、『年金機構』だけでなく『楽天』『国民健康保険料』『市役所市民税課』などを名乗り、クレジットカードの利用料金やスマホの通信料金の請求を装うなど、同様の詐欺メールだと分かった。更に詳しく調べると、4月後半は、『楽』と書かれた楽天カードからの請求が、次々と送りつけられていた。

まるで“詐欺メールの見本市”のようになってしまった記者のメールボックス。どう対処すれば、いいのか?

福岡県警は、①不審なメールなどのリンクには、安易にアクセスしないこと②正規アプリや事前に登録したブックマークからアクセスすること③指紋認証や顔認証などの生体認証や、ログイン通知サービスの活用などによりセキュリティを強化することなど徹底するよう、広く呼び掛けている。

とにかく、違和感を覚える件名のメールは、開かず削除。基本的に行政は、お金に関する重要な要件を電子メールで送ったりすることはない。仮に削除しても、その内容が本物ならば、当該の役所から後日、督促状などの形で郵便物が届くはず。怪しみながらメールを開き、少額であっても、お金を送ってはいけない。相手に“カモ”だと思われると、更に巧妙な次の詐欺に巻き込まれる恐れが高まるからだ。みなさん、互いに気を付けましょう。

(テレビ西日本)

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