緊迫した状況が続く中東情勢。ホルムズ海峡の封鎖で供給が不安定となっている石油。その余波が、日常生活にも及び、影響が深刻となっている。

「1本あたり20~50円の値上がり」

福岡市の花店『フラワーパーク 本店』。GW明けの店舗では5月10日の『母の日』を前に代表的なプレゼント、カーネーションを使った商品作りに追われていた。

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母の日用のアレンジメント商品は、予約分を含め多い時には1日に100個以上売れる人気の商品で価格は4950円。

母の日恒例ともなっているカーネーションの贈り物だが、中東情勢の緊迫化による原油高騰の影響が影を落としていた。

フラワーパークの田村志織さんは「カーネーションの切り花は、1本あたり20円から50円、値上がりしている」と話す。

原油高の煽りを受け、生産から流通まであらゆるコストが嵩み、市場からの仕入れ価格が上昇。いまは、経営努力で価格を抑えた商品を揃えることができているが、今後、事態が長期化すれば、カーネーション以外の花も影響を受ける可能性があるとしている。

さらに4月に入って「納品が遅れるかも」と不確定になっているのが、花束を包んだり容器に水を貯めたりするのに欠かせない石油由来のフィルム製品だ。

供給不足の懸念から仕入れが難しい状況が続いているという。

解消されない現場の不安

一方、石油製品の供給不足による影響は農業の現場でも深刻となっている。

シーズンの終わりが近くなったイチゴのパック商品が影響を受けていた。パック1個に1枚使用するポリウレタンの緩衝材。石油製品の供給不足の懸念から直近の見積もり価格が前回の約2倍と大幅に値上がりしたのだ。

福岡・福津市の生産農家、桒野由美さんは「ポリウレタンのスポンジは以前、購入した時は1枚4.4円だった。今回の見積もりでは8.5円になっていた。去年までは高くなかったので、ここにきて急に…」と話す。

今シーズン分の在庫はあるというが、桒野さんは、生産コストを少しでも削減しようと一部商品での使用を控えることを決めたという。「近くの直売所向けは申し訳ないが、パックにはウレタンを敷かずに出荷させてもらっている。いまは加工用なので価格が安いから…」。

また石油製品の供給不足により、米粉商品を入れるためのポリ袋が品薄となっていて、取り寄せに苦労している。通常であれば、5箱(50袋分)を一度に仕入れていたが、現在は3袋、5袋、8袋などと細かく分けて、いくつかの取引先から購入しているというのだ。

さらに、雑草抑制や土壌の温度調整などを目的に畑や農業用ハウスで広く使用されている石油製品のシートも手に入りにくい状態となっている。

「今回は、どんどん値上がるので『いま、いま、いま』という感じで発注をかけていたが、それが急に来ない。『数を少なくさせて下さい』と言われて本当に困っている」(生産農家・桒野由美さん)。

終わりの見えない石油危機。現場の不安はいつになったら解消されるのか。

(テレビ西日本)

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