2026年5月5日午前9時。気持ちよく澄んだ青空のもと、石川県七尾市で行われた青柏祭で魚町のでか山が動き出した。

巨大な山車を回転させる「辻廻し」

威勢のいい木遣りの掛け声が響き渡る町内。町の人たちが一体となり、でか山は狭い路地も果敢に進んでいく。電柱ギリギリのところをでか山が通り抜けるたびに、沿道から歓声が上がった。

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でか山巡行の最大の見どころが「辻廻し」だ。狭い路地の曲がり角で、でか山を方向転換させるこの場面では、長さ約6メートルのてこの上に曳き手が乗り、車輪を浮かせながら巨大なでか山を回転させる。でか山は高さ12m重さ20tにも及ぶ。

最終日の5日は、町の人だけではなく観光客など訪れた人たちも参加することができる。ワッショイという掛け声とともに老若男女が一体となってでか山を引っ張る姿が広がった。

「仲間になった」カナダ出身の男性

参加者の中にひと際目を引く人物がいた。カナダ出身のアダム・ズゴーラさんだ。法被姿で曳き綱を握り、威勢よく掛け声を上げるアダムさん。

日本建築に魅了され、24年前に日本にやってきた。今は、能登半島地震で被災した店の修復工事をするため、七尾市で働いている。巡行に参加した感想を聞くと「楽しい。仲間になったと思います」とアダムさんは話した。そしてこの巨大なでか山を目にして率直な驚きを表現した。「かなり立派な建物だけど動いているよ。これだったら七尾は大丈夫!」

3台のでか山が勢ぞろい

3台のでか山が勢ぞろいすると、熱気は最高潮に達し、壮観な光景に訪れた人たちは目を奪われた。

見ていた子どもは「重たいものを引っ張ってすごい」と声を上げた。父親も「すごい、圧巻」と感嘆し「自分も昔でか山に登っていた」と懐かしそうに振り返りながら「来年登る?」と息子に聞くと「怖い」という答えが返ってきた。

魚町でか山若衆頭の高瀬亮輔さんは、この日の巡行をこう振り返った。「周りの皆さんも僕もめちゃめちゃ楽しんでいる。地域の人のおかげで動かせているので感謝」能登半島地震から2年4カ月。この祭りの熱気が、復興に向かう町を力強く後押ししている。

(石川テレビ)

石川テレビ
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