「5万円が欲しくて・・・」
2025年9月に逮捕・起訴された、広島市の鈴木新一被告、75歳(取材当時)は、犯罪とは知らず、SNSの誘いに申し込んだという。
当時、借金を抱えながら生活保護費と年金で一人暮らしをしていた。
鈴木新一被告:
(金に困っている?)今でも困っている。食べる物もない、全然。

2024年、鈴木被告の携帯に副業を紹介するショートメッセージが届いた。
「こちらのラインにて、収納代行業務全般のサポートを行って行きます」

鈴木新一被告:
ぼくは75歳。人生、先が短い。5万円がほしかった。
鈴木被告が副業をしたいと送信したその相手は、トクリュウだった。
その後、ラインで次々と指示が―。
まずは、報酬を受け取るためとして複数のネット口座の開設を求められた。

その後、巧みに犯罪へと誘導。
鈴木被告はe-Taxが何のことか分からなかったが、携帯で指示を受けながらIDとパスワードを取得。口座の情報や暗証番号、さらに、運転免許証の写真もトクリュウに送信した。
すると、身に覚えのない国税還付金振込通知書が届いた。
怪しいとは思わず 自覚なく加担
ネット口座を確認すると、税務署から96万円あまりの還付金が振り込まれていた。

トクリュウは鈴木被告に対し、ATMに行き、指定した口座に還付金を送金するよう電話で指示。
「出金後、明細書は画像で送ってください」「分からないことがありましたら、必ず外に出てラインしてください」「できそうですか?」
税務署からの還付金の振り込みは、合わせて5回あり、総額は455万円。指示を受けて6回に分けて、あわせて449万円をトクリュウに送金し、残った6万円が鈴木被告の報酬となった。

鈴木新一被告:
(怪しいとかは)思わなかった。副業という気持ちをもっていたから。
鈴木被告は自覚がないままトクリュウの闇バイトとなり、還付金詐欺に利用されていた。
「ただ5万円儲かるということで必死。このまま済めばいいが」と話した鈴木被告だったが、取材から3カ月後に逮捕された。

懲役2年4カ月の実刑判決を受け、その後控訴した。
