兵庫・南あわじ市の沼島(ぬしま)で、かつていなかったイノシシが300頭以上に繁殖し、人口とほぼ同じ数になっているという。畑が荒らされ、アスファルトに穴が開くなど、被害が広がっている。専門家は淡路島から泳いで渡ってきた可能性を指摘。捕獲が繁殖に追いつかない状況だという。
約300人の島で300頭以上のイノシシが生息
柵に向かって激しく突進するイノシシ。食欲も旺盛で繁殖力も高く、群れを作ることで知られている。
そんなイノシシに占拠されてしまった島がある。

28日に取材班が向かったのは、兵庫県の淡路島からわずか4kmの場所に浮かぶ沼島。
島の一周は約10km。約300人が暮らす小さな島で、さまざまな海の幸や自然が観光客から人気だ。異常事態は、そんな穏やかな島で起きている。
島民:
イノシシなんぼおるか分からへん。300頭ぐらいからいるんだって噂しよる。しまいに“イノシシ村”になってくる。

かつてイノシシはいなかったという沼島では、個体数が爆発的に増え、現在では300頭以上が生息。人口に匹敵するほどの数になっているという。
小学3年生:
夜にサッカーをしていたら、出てくることがある。ガサガサという音がめっちゃ聞こえてくる。僕たち低学年は怖くて泣いてしまったことがある。
70代:
不安です。残飯入れがあるんですよ。イノシシは賢いから、フタを開けよるやろう。そんなの覚えたら、ここ下りてきたら大変やなって。
イノシシに悩まされる島民たち。島のいたるところでイノシシの痕跡も見つかった。

島民:
エサがなくなってきたら下りてきて、土を掘って虫とかエサを食べるわけよ。
夜になると山を下り、食べ物を探すために鼻先で土を掘り起こしてしまうという。
島民:
昔ここで畑しとったけど、畑も掘り起こされて、結局何もなくなるから畑もしない。何植えたって何もかもあかんねん。
イノシシが食べたのだろうか。タケノコの皮だけがたくさん散らばっていた。
さらにインフラにも影響が出ていた。
リポート:
アスファルトで舗装された道の下は、イノシシに掘られぽっかりと穴が開いてしまっています。
捕獲が繁殖に追いつかず
かつてはいなかったこの島で多くの被害をもたらしているイノシシだが、一体どこからやってきたのだろうか。

兵庫県立大学・栗山武夫准教授:
もともと淡路島にイノシシがいるので、淡路島で増えたのが泳いで入った。違う場所に移って新たなエサを探すというのは、動物ではあり得ることだと思う。
専門家は、淡路島の南側からイノシシが泳いで渡ってきた可能性を指摘している。
実際に海を泳ぐイノシシの映像を見ると、水面に顔を出し前足を器用に使っていた。
島民:
7〜8年も前の話。泳いでいくのを見た人がいて、沼島に上がったという人も現実に見た人がいるみたい。

島では箱ワナを設置し、2025年は149頭を捕獲。しかしイノシシは年1回の繁殖で平均4頭を出産し、1歳でも出産が可能なため、捕獲が追いつかないのが実情だ。

2025年に狩猟免許を取得・箱ワナを設置した人:
(1年に)200頭あまり増えているけど、捕るのは半分も捕れるか捕れないかくらい。イノシシはあまり増えないようにしたいと思うけど、なかなか人手が足りない。なかなか大きすぎて入ってくれない感じ。
今後イノシシが集落に侵入し、人に危害を加える懸念もある中、一刻も早い手立てが求められる。
(「イット!」4月29日放送より)
