柵に向かって激しく突進するイノシシ。
食欲も旺盛で繁殖力も高く、群れを作ることで知られています。
そんなイノシシに占拠されてしまった島がありました。
取材班が向かったのは、兵庫県の淡路島からわずか4kmの場所に浮かぶ沼島です。
島の1周は約10km、300人ほどが暮らす小さな島で、様々な海の幸や自然が観光客から人気だといいます。
そんな穏やかな島で異常事態が起きています。
島民:
イノシシなんぼおるか分からへん。300頭ぐらいからいるんだって噂しとる。しまいに“イノシシ村”になってくる。
かつてイノシシがいなかったという沼島では、個体数が爆発的に増えて現在では300頭以上が生息し、人口に匹敵するほどの数になっているといいます。
小学3年生:
夜にサッカーをしていたら出てくることがある。ガサガサという音がめっちゃ聞こえてくる。僕たち低学年は怖くて泣いてしまったことがある。
70代:
不安です。残飯入れがあるんですよ。イノシシは賢いからフタを開けよるやろう。そんなの覚えたら、ここ下りてきたら大変やなって。
イノシシに悩まされる島民たち。
島の至る所でイノシシの痕跡も見つかりました。
島民:
エサがなくなってきたら下りてきて、土掘って虫とかエサを食べるわけよ。
夜になると山を下り、食べ物を探すために鼻先で土を掘り起こしてしまうといいます。
島民:
昔ここで畑しとったけど、畑も掘り起こされて結局何もなくなるから畑もしない。何植えたって何もかもあかんねん。
イノシシが食べたのか、タケノコの皮だけがたくさん散らばっていました。
さらに、アスファルトで舗装された道の下はイノシシに掘られ、ぽっかりと穴が開いてしまっています。
かつてはいなかったこの島で多くの被害をもたらしているイノシシは一体どこからやってきたのか、兵庫県立大学の栗山武夫准教授は「もともと淡路島にイノシシがいるので、淡路島で増えたのが泳いで入った。違う場所に移って新たなエサを探すのは動物ではあり得ることだと思う」と、淡路島の南側からイノシシが泳いで渡ってきた可能性を指摘します。
実際に海を泳ぐイノシシの映像を見ると、水面に顔を出し前脚を器用に使っていました。
島民からも「7~8年も前の話。泳いでいくのを見た人がいて、沼島に上がったという人も。現実に見た人がいるみたい」といった声が聞かれました。
島では箱わなを設置して2025年に149頭を捕獲しましたが、イノシシは年1回の繁殖で平均4頭を出産する上に1歳でも出産が可能なため、捕獲が追い付かないのが実情です。
2025年に狩猟免許を取得し箱わなを設置した人は「(1年に)200頭余り増えているけど、捕るのは半分も捕れるか捕れないかくらい。イノシシはあまり増えないようにしたいと思うけど、なかなか人出が足りない。なかなか大きすぎて入ってくれない感じ」と話します。
今後、イノシシが集落に侵入し人に危害を加える懸念もある中、一刻も早い手だてが求められます。