私がいちばん懸念しているのは、人の気持ちを自分で推し量ろうとしない子どもが育ってしまうことです。AIに聞けば、それらしい答えは返ってきます。しかし、その人の本当の気持ちは、AIにも、私たちにも、わかりません。

だからこそ、大人は子どもにはっきり伝える必要があります。

「その人の気持ちは、AIにもわからないよね」
「最後は、自分で考えるしかないところだね」

これは、突き放す言葉ではありません。人として大切なところを守るための言葉です。

人の気持ちに正解はない

人の気持ちは、そもそも正解があるものではありません。相手が何を考え、どう感じているかは、最終的には、その人にしかわからない。

だからこそ、「どうして怒っているんだろう」「何が原因だったのかな」と、自分なりに考え、振り返ることに意味があります。このとき、

「ケンカしてしまったんだけど、何が原因だったと思う?」
「自分の言動で、まずかったところはあったかな?」

といった振り返りの相談としてAIを使うのであれば、それはひとつの使い方かもしれません。

(イメージ)
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しかし、「相手はこう思っているはずだ」「こう感じているに違いない」と、相手の気持ちそのものをAIに判断させてしまうと、自分で考えるべきいちばん大切な部分を、外に預けてしまうことになります。

人を思う力は、答えを知ることでは育ちません。悩み、迷い、わからなさを抱えながら、それでも相手に向き合おうとするなかで、少しずつ育っていくものです。

だからこそ、大人は子どもに、

「人の気持ちは、AIにもわからないよね」
「最後は、自分で考えるしかないところだね」

と伝えていかなければならないのです。

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