高齢ドライバーによる事故が続く中、運転への不安や生活との両立で葛藤する姿が目立っています。
事故の現状
広島県内では、65歳以上の高齢ドライバーが関係する交通事故が毎年1,000件を超える高い水準で推移しています。操作ミスによる事故は過去6年間で特に75〜84歳に多く見られます。最近も歩行者が83歳の女性が運転する車にはねられ死亡した例や、76歳の男性の車が中学生と高校生の姉妹をはね、高校生が一時意識不明となった例があり、運転操作の誤りを本人が「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話すケースも報告されています。
運転への不安
高齢ドライバー自身からは「ちょっとした見落としがあると思う」といった不安の声が聞かれます。一方で「一人暮らしだから買い物などで車は必要」と生活の足として車が欠かせないという事情もあり、運転を続けたい気持ちと安全への懸念が並存しています。
免許返納の動向
県内では毎年およそ1万件前後の免許返納申請があり、そのうち9割以上が65歳以上です。年間では約9,000人の高齢者が免許を返納しています。70歳以上は更新前に高齢者講習の受講が義務化され、2022年からは75歳以上に運転技能検査が導入されています。県警の担当者は、視力低下や身体機能の衰えで運転に自信を失い、必要性が低い人が返納に踏み切る例が多いと説明しています。
家族と行政の役割
病気や体調の変化をきっかけに家族と一緒に相談に来る人もいます。同行した息子は「年が年なので無理させないように…まああと1年くらいですかね」と話しています。警察は「安全で安心な運転ができるか疑問があるなら立ち止まって考えてください。返納手続きは自分と家族の命を守るための選択肢です」と呼びかけています。また、返納しない場合でも家族で運転のルールを決めるなど、周囲のサポートが重要だとしています。
高齢ドライバーの事故は、本人の体調や操作のミス、生活上の必要性が絡んだ複雑な問題です。免許返納は一つの選択肢であり、講習や検査、家族との話し合いを通じて安全な移行策をつくることが鍵になります。
テレビ新広島
