朝からずっとテレビでCNNの大統領選特番を見ていたのだが、開票は言われていたほど遅くはなかった。

今回は郵便投票を含む期日前投票が1億人を超えるという異常事態で、開票がかなり遅れるのではないかと言われていたのだが、CNNの州ごとの当確は遅かったものの、開票自体は郵便投票を事前に開封した州などもあり、いつもの年より大幅に遅いという感じではなかった。

トランプは明らかに不利に見えた

事前の選挙戦ではトランプは明らかに不利に見えた。ただそう見えたのは米国内の報道や、それに影響された日本での報道が「トランプの負け」をかなり意識したものだったからなのかもしれない。

僕自身も2回目のテレビ討論を見て、司会者がバイデン寄りだった点を差し引いても、その時点でバイデンに世論調査で8ポイントの差をつけられていたトランプが逆転したようには見えなかった。

両候補による最後のテレビ討論会 現地10月22日
両候補による最後のテレビ討論会 現地10月22日
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討論でトランプが勝つとすれば、バイデンが高齢による「弱さ」を見せた時だと思っていたのだが、そのことを良くわかっていたらしいバイデンは「強さ」を意識してアピールしていた。ただギョロっと目をむいてしゃべったり、必要以上に大きな声を出すなど、強いというよりはやや「危ない老人」に見えたのはすごく気になった。彼は感情のコントロールをきちんとできるのだろうか。

最後のテレビ討論会でのバイデン氏 
最後のテレビ討論会でのバイデン氏 

77歳のバイデンは74歳のトランプより3つだけ年上なのだが、「老人度」はかなり高い。米国の大統領は普通は2期8年務める。バイデンは4年後81歳、8年後85歳。1期4年がやっとだろう。

アメリカ国民は「弱い人」は選ばないのではないか

僕はトランプが素晴らしい大統領だとは決して思わない。ただアメリカ国民はやはり自分たちのリーダーは「いい人」より「強い人」を選ぶのではないか、「弱い人」は選ばないのではないか、と思った。

フロリダ、テキサス、オハイオなどを制したトランプは午前2時に事実上の勝利宣言をしたが、もちろんバイデンは敗北宣言をしていない。開票はまだ終わったわけではなくトランプの勝利宣言は明らかに早すぎる。

4日午前2時すぎ 事実上の勝利宣言をするトランプ大統領  ※現地時間
4日午前2時すぎ 事実上の勝利宣言をするトランプ大統領  ※現地時間

ただトランプが選挙戦でずっとバイデンにリードを許していると思われていたのだが実はそうではなかった。もちろんバイデンが勝つかもしれないし、ペンシルベニア州では開票が遅れ、メディアはしばらく当確を出さず、いつまでも大統領が決まらないかもしれない。しかし先に勝利宣言を出したトランプが今や主導権を握っているのは間違いない。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫

記事 319 平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。2020年4月から立命館大学客員教授。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。