政府が新たに「国家情報会議」を設置するための法案は、このあと衆議院の委員会で可決される見通しで、今の国会での成立の公算が大きくなりました。
では、「国家情報会議」設置法案とは一体どういうものなのでしょうか。
現在、警察庁・外務省・防衛省・公安調査庁の4つの省庁が担っている情報収集や分析は「内閣情報調査室」が取りまとめる形になっていますが、これを「国家情報局」に格上げし、同時に司令塔機能として総理大臣を議長とする「国家情報会議」を立ち上げるというものです。
フジテレビ政治部・木村大久記者に「『国家情報会議』なぜ成立の公算が大きくなったのか」「市民監視の懸念 国民に影響はあるのか」の2つのポイントについて詳しく聞いていきます。
──1つ目のポイント、野党はプライバシー侵害の恐れがあるとして法案を問題視していたが、なぜ法案成立の公算がこの段階で大きくなった?
このあとの採決の際に、個人情報への配慮などを盛り込んだ付帯決議を行うことを条件に国民民主党が賛成に回り、与党が少数の参議院でも可決するめどが立ったからです。
実は国民民主党は情報活動の強化に向けた法案を独自に国会に提出していて、幹部は取材に対し、賛成に回る理由について、付帯決議で「我が党の法案の趣旨を入れてもらうことにした」と話しています。
ただ、付帯決議については、政府は尊重することが求められますが、法的拘束力はなく、他の野党からは「政府の解釈次第でどう運用されるか分からない」との声も上がっています。
──2つ目のポイント、市民への監視が強まるのではないかという懸念の声がある中、この法案が成立した場合、国民への影響はどういうものがありそうか?
個人のプライバシーは守られるのか、侵害につながるのではないかという懸念があります。
国会審議の中で野党側は1つの例として、政府の政策に反対するデモや集会に参加した人の顔写真を撮影したり、名前や職業を調査することはないかという懸念を指摘しました。
これに対し高市総理は、「政府の政策に反対するデモが情報活動の監視対象となることは一般的には想定しがたい」と説明しています。
──政府が政権に都合のいい情報だけを集めて使用するリスクはないのか?
国会審議の中で野党側は、現在の内閣情報調査室が選挙情報の収集をさせられていると指摘しています。
さらに今後、新たに創設される「国家情報局」が、総理や閣僚にスキャンダルが浮上した場合、マスコミや野党の動向調査を行わないかとただし、高市総理は「現在も想定されないし、今後も行われることはない」と答弁しています。
野党からはこうしたプライバシー侵害や政治利用への懸念を払拭する規定が不十分だとの声が多く、実際にどのように運用されるかは、まだまだ不透明な部分が多いといえそうです。