愛らしい表情や仕草。世を挙げてのネコブームと言われる昨今だが、長崎県諫早市では着物や帯の製作活動を経て、現在はネコをモチーフにした染物を作り続ける女性がいる。

布に染められた「ネコの絵」

鮮やかな花と愛らしいネコ。
まるで画用紙に描かれた「絵」のようだが、実は「ろうけつ染」と言われる綿密な技法で染めらている。

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作者は諫早市に住む佐々木純子さん。
染色の世界に携わって40年のキャリアを持ち、手描き友禅で着物や帯の製作を手掛け「着物デザイングランプリ」で大賞に輝くなど数々の賞も受賞してきた。

そして現在は、大好きなネコをモチーフにした作品を手がけている。
自宅には「テン」と「美その」の2匹の三毛猫がいて、作品のモデルになったり心を癒やしてくれたり、佐々木さんにとってはなくてはならない存在。

時には知人のペットの写真を何枚ももらって、下絵を描くこともあるという。
「ろうけつ染」は蝋を使用した染色技法で、下絵をうつした布に、溶かした蝋を冷めないうちに手早く塗る。

佐々木純子さん:
染めると、ロウを塗ったところには染料がのらない。はけで染めた後も(染料が)のらない状態にして。その後、ロウをアイロンでとる。わら半紙にくっつけて吸い取らせる

蝋によって染まらなかったネコや花に、細い筆を使って染料をのせ、布を蒸してドライクリーニングをすると完成。

ーーどうして染め物を?

佐々木純子さん:
絹の光沢ですかね。キレに魅せられてるのかも。花を描いたり、ネコを描くとふわっと光って…それに魅せられて長くやっているのかも

佐々木さんは2015年に夫の転勤で神奈川県から諫早市に移り住んだ。
この5年間は地元にちなんだ作品にも取り組んできた。

佐々木純子さん:
ステンドグラスとネコやそして階段に寝そべったネコ。(長崎)らしいのを描きましたね

教会や斜面地の多い長崎ならではの代表作。

さよならのかわりに…展覧会を

しかし、長崎での生活も10月までで、11月には神奈川に帰ることになったため、引っ越しを前に、諫早市内でこれらの作品を集めた展覧会を開いた。

タイトルは「SAYONARANOKAWARINI」(さよならのかわりに)。
地元・諫早と愛するネコたちへの感謝を込めて、ネコの作品や昔手掛けた着物や帯など約30点を展示。

佐々木純子さん:
こんな世の中なので、心が和んでくれればと作品を描き続けているので、みなさんに来てもらえたら

佐々木さんは、ペットのネコなどの特別注文の受け付け・販売も行っていて、これからも、ネコをモチーフにした染め物作りを続けるという。
1月にも諫早市多良見町の雑貨店「厚底をはいたねこ」で、展覧会が予定されている。

(テレビ長崎)