4月1日から北海道の宿泊税がスタートしました。

 北海道内のホテルや旅館、民泊などに宿泊すると料金に応じて支払う義務が生じます。

 観光振興が目的ですが、課題も見えてきました。

 「4月から別に宿泊税を1人300円いただいています」(ホテルのスタッフ)

 北海道帯広市にある、JR帯広駅前のホテルです。

 新たに導入された宿泊税について、予約客への説明に追われています。

 「予約が3か月前だと、4月1日以降の利用に関して表示価格とは別の内容になるので案内・連絡をした」(ふく井ホテル 樋田 智浩 マネージャー)

 4月1日から北海道の宿泊税が導入され、宿泊料金により1人1泊100円から500円が徴収されます。

 北海道内の約8000の宿泊施設が対象です。

 物価高騰が続く中、利用者にとっては痛手ですが、さらに。

 「北海道の宿泊税に加え、帯広市など複数の自治体でも独自に宿泊税の徴収が始まりました」(沼田 海征 記者)

 北海道の宿泊税の他に、独自の宿泊税を課す自治体が18市町村あります。

 いわばダブル課税となり、帯広市もそのひとつです。

 宿泊料金にかかわらず、1人1泊一律200円を徴収します。

 こちらのホテルには温泉があるので、従来からある入湯税150円の対象にもなります。

 利用客にとってはまさにトリプルパンチです。

 「病院に行くために前泊する。自宅のある士幌町が遠く、朝が早いので」(通院のため利用する宿泊客)

 士幌町から帯広市内の病院に通うため、ホテルを利用する夫婦です。

 宿泊料金は2人で1泊1万7230円。

 これに北海道と帯広市の宿泊税が加わり、2人で600円の負担増となります。

 さらに、入湯税300円もかかります。

 通院で何度も利用すると負担も増します。

 「今回は1泊だが、それが重なると100~200円でも痛い。本当に困る、もともと高くなっているから。われわれは年金生活だが、年金が全然上がらない」(通院のため利用する宿泊客)

 北海道が観光のオンシーズンに実施した最新アンケートでは、宿泊目的が「観光」の人は70.1パーセント。

 16.4パーセントは「仕事」で、通院など「その他」が9.2パーセントでした。

 宿泊税は観光振興を目的としていますが、宿泊客の4人に1人が観光以外の利用です。

 このような現状に専門家は。

 「本来は一人一人、宿泊目的により異なる税率での課税が理想かもしれないが、現実的には難しい。複雑にすると管理コストが高くなり、肝心な施策に税金が使えないという矛盾が生じる」(北海道大学 国際広報メディア・観光学院 神山 裕之 教授)

 北海道は年45億円の税収を見込んでいて、観光振興にあてる方針です。

 しかし、使い道がわかりにくいという声もあります。

 「周囲はどう見ても観光地区ではなく駅前ゾーンなので、ここで徴収した宿泊税はどのように活用されるのだろうと言う客も」(樋田マネージャー)

 「宿泊税を負担する国民に対する説明がわからない状態で、どんどん徴収される」(通院のために利用する宿泊客)

 北海道は公共交通の整備やキャッシュレスの対応、観光ガイドの育成など、さまざまな事業を予定しています。

 集めた税の運用について専門家は。

 「宿泊事業者にとってはプロモーションにも使われるので、いっぱい客が来てくれることになる。実際に宿泊税を使った各種事業が当初の狙い通りきちんと機能したのか検証していく必要がある。だめだったものはきちんと公表し、次回からどのように修正していくのかプロセスが大事」(神山教授)

 宿泊客が納税した恩恵を実感できるのか。

 今後の運用が注目されます。

 北海道と札幌市で宿泊税が二重に課税される、”ダブル課税”の状態が4月から続いています。この宿泊税は、観光目的だけでなく、通院や介護、受験などの理由で宿泊した場合も徴収されます。

 たとえば1泊2万円未満の場合、道が200円、札幌市が100円、合わせて300円が徴収されることになります。

 定率ではなく定額のため、例えば1泊3000円のカプセルホテルに泊まった場合は300円が課税され、宿泊料金の10%を負担することになります。

 一方で、北海道外では異なる対応をしています。

 東京都は1万円未満、大阪府は5000円未満の宿泊料金の場合、課税しない制度を設けています。低額宿泊者の負担を軽減する配慮がされているといえます。

 今後は、徴収された宿泊税が有効に活用されているか、検証して公表することが求められそうです。

北海道文化放送
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