熊本地震から10年を前に航空自衛隊のアクロバット飛行チーム・ブルーインパルスが復興への願いを込めて展示飛行を披露しました。
9年ぶりに熊本の空を駆け抜けるブルーを快晴の空が待っていた。
熊本城二の丸広場と周辺でその時を待つのは約7万5000人の観客。
時刻はまもなく午前11時。
6機の機体は左手に熊本駅をとらえ、夢と感動を乗せて熊本城上空へ向かう。
そして轟音と共に6機のT-4がブルーを光らせ現れた。
【観客の歓声】
リーダー機を先頭に5機が後ろから水平に続く『リーダーズベネフィット』のフォーメーションがまずは熊本城と観客にごあいさつ。
熊本地震の犠牲者の鎮魂と復興への願いを込めて9年ぶりに熊本の空に帰ってきてくれた。
2番機を飛ばすのは熊本市出身の松永 大誠3等空佐。
3年の任期のラストフライトを奇跡的にふるさと熊本で迎えようとしていた。
【フェニックスローバス・ナレーション】
「フェニックスローバスです」
東日本大震災で復興を願い生まれた課目『フェニックス・ローパス』
2番機・松永3佐は不死鳥の左の翼を担う。
操縦桿の繊細な動きからその緊張感と興奮が伝わってくる。
15年前、東日本大震災で松島基地が被災したものの震災を乗り越えて空に戻ったブルーインパルス。
今シーズンの幕開けに熊本を選んだ彼らは今週末には中越地震の復興記念祭にも登場し日本各地の被災地にエールを届ける。
機体から一糸乱れぬタイミングで噴出されるスモークに観客は空を見上げながらただただ胸を熱くする。
熊本城上空を一旦離れて隊型を整えた6機は、2017年の展示飛行でも披露した大技を披露する。
2番機・松永3佐がスモークのトリガーを引く。
それぞれの機体が360度旋回しなが直径約500メートルの円を作り、6枚の花びらが重なると青空に巨大なサクラの花を咲かせた。
直径約1・5キロのサクラは熊本市以外からも確認でき会場の熱気と興奮は最高潮に達した。
互いに全幅の信頼を寄せるからこそのチームワーク。コックピットの彼らは最短で90センチまで近寄るという互いの動きをつぶさに確認し民間機のフライトがあるためタイムリミットぎりぎりまで被災地・熊本を勇気づけるフライトをみせてくれた。
このあとブルーインパルスは熊本地震で大きな被害を受けた益城町や南阿蘇村の上空も飛行。待ち受ける人々は大きく手を振り続けた。
「勇気をくれてありがとう」。
【大西 一史 熊本市長 松永 大誠3等空佐】
「多くの人たちが明るく上を向いて『頑張ろう』という気持ちになれた素晴らしいフライトだった」「私自身、熊本出身として熊本の空を飛ぶというのは感慨深いものがあった。二の丸広場は緑だと思っていたが、人が多すぎて真っ黒で、熊本城も最初は見つけられなかった」
多くの県民に感動を与えたフライトを終え、13日、熊本市役所などを表敬訪問した松永3佐。
TKUでは、二の丸広場で開催された観覧イベント『熊本復興飛翔祭』の来場者が
パイロットに向けて書いたメッセージ、約1200通が手渡されました。
【松永 大誠3等空佐】
「みんなと信頼し合うからこそできることがある。ブルーインパルスも1機で飛ぶから面白いのではなく、6機揃ってるいるから見せられるものがある」
また、松永3佐は母校の県立濟々黌高校に凱旋。
【松永 大誠3等空佐】
「復興から10年たったが、10年後、20年後どうなっているかは皆さんがどれだけ頑張ったか。皆さんで熊本を盛り上げてほしい」
パイロットという仕事のやりがいや挑戦することの大切さ、これからの復興に向けた
思いなどを後輩に語りました。
【松永 大誠3等空佐】
「復興に向けて10年歩んできた道のりを、展示飛行を通して皆さんの心の中で
振り返ってもらうのと共に、これからの10年、20年、熊本の未来に向けて新たなスタートが切られるような展示飛行になればという思いで飛行した。
〈いつか熊本のために恩返しがしたい〉という思いを胸にブルーインパルスに入って、自分のラストフライトで熊本の皆さんにエールを送ることができ、本当にありがたかった」