細かな木片を緻密に組み合わせ、美しい幾何学模様を生み出す伝統木工技術「組子」。その発信拠点が富山駅前に誕生した。「直接触って匂いをかいで組んでもらうことで可能性が世界に広がっていくのではないか」と語るのは、富山市の組子専門店タニハタの谷端信夫社長だ。
富山の玄関口に誕生した組子の拠点

富山駅前のCiC1階にプレオープンした「組子座」は、タニハタが整備した組子の展示体験施設だ。施設内には、立山連峰や八尾のおわら、称名滝など富山を代表する観光資源を、さまざまな組子紋様で表現した作品が展示されている。組子とは、障子や欄間などに用いられる木工技術で、細かな木片を寸分の狂いなく組み合わせることで緻密な幾何学模様を作り出す、日本の伝統工芸だ。

万博で4万人、売上の2割が海外へ
この組子、いま世界で急速に注目を集めている。昨年の大阪・関西万博では、サウジアラビアの展示館でタニハタがライブデモンストレーションを実施。わずか2日間で4万人もの来場者を集めた。谷端社長は「インバウンドや県外の方が工場に直接来られることが増えてきて、組子という名前が世界に広がっていることを感じる」と話す。現在、タニハタの売上の2割を海外輸出が占めており、その割合は年々高まっているという。
2000円から体験できるワークショップも

組子座では、展示の鑑賞にとどまらず、1回2000円から参加できる組子のワークショップも用意されている。実際に手を動かし、木の感触や香りを体感しながら組子を組み上げる体験は、観光客にとっても地域住民にとっても、この伝統技術を身近に感じる機会となるだろう。

谷端社長は「ひとつ間違えれば右肩下がりになる業界」と現状を冷静に見つめつつも、体験を通じた発信に活路を見出す。富山の玄関口から、世界へ――。組子座はその橋頭堡となることを目指している。

組子座は今月15日にグランドオープンする。
(富山テレビ放送)
