国会では9日、衆議院本会議が開かれ、健康保険法の改正案が審議入りした。
改正案では、出産の際に支給される「一時金」について、新たに分娩一件あたりの単価を設定し、分娩施設に直接支給することで妊婦の負担をゼロにする出産の無償化などが盛り込まれている。
自己負担が生じる帝王切開の場合も、全ての妊婦に現金給付することで負担軽減を図る方針で、法案成立後2年以内をめどに開始するとしている。
本会議での法案趣旨説明に対して質問に立った、中道改革連合の早稲田夕季副代表は、「令和6年度における正常分娩の出産平均費用は、約52万円とされ、現行の出産一時金の額を上回っており、地域や医療機関によって自己負担が生じている。政府は、地域や施設による分娩費用の差をどう認識されているのか」と述べて、出産費用の地域や施設よる格差是正に対する政府の姿勢を質した。
その上で、無痛分娩についても、「ニーズは高まっている。安全確保を前提に、費用負担軽減や体制整備などの支援を拡充すべきではないか」と指摘した。
これに対して、高市総理大臣は、「現在、出産費用は自由価格であり、地域間・施設間での差がある。今回の見直しにより正常分娩に相当する部分の出産費用は、現物給付化され、地域や施設にかかわらず一律となる」と強調した。
また、無痛分娩への質問についても、「無痛分娩の実施率は増加傾向にあり、妊婦のニーズも高まっている。一方で、無痛分娩にはリスクも伴うため、妊婦の方々が適切な知識に基づき無痛分娩を選択できるよう安全な無痛分娩を行う。安全で質の高い無痛分娩を選択できる環境の整備を図ることは重要であり、具体的な対応については、今般の見直しの中で、現物給付とは別に創設される現金給付のあり方含め、施行までに丁寧に検討していく」と応じた。
改正案では、出産費用関連以外にも、市販薬と成分や効能が類似し自己負担額が少ない「OTC類似薬」の一部について、患者へ追加の負担を求める制度を新設する他、75歳以上の高齢者の窓口負担の割合について、株式配当といった金融所得も反映するようにする。