「梨の葉」がスイーツに変身!きっかけは学生のアイデア

通常は使われることのない「梨の葉」が、ほろ苦くておいしいクッキーに生まれ変わった。
鳥取大学の学生グループが2年がかりで開発したスイーツが、鳥取市内の洋菓子店で販売されている。
「鳥取県といえば“梨の葉”というところまで行ってくれたらうれしい」…学生たちの夢は、地域の農業が抱える課題の解決とともに広がっている。

果実も葉も余すことなく…鳥取ならではの一品に

開発されたのは、梨の葉をかたどったクッキーだ。
生地には「梨の葉」の粉末が練り込まれており、鳥取県産の梨のジャムとバタークリームをサンドした仕上がりになっている。

試食した人からは「おいしい!」「あとから梨の風味と香りが鼻に入ってきます」といった声が上がった。
取材した記者も「梨の葉のほろ苦さと、中のバタークリームとジャムの甘さが相性抜群」と評している。
梨の名産地・鳥取ならではの素材を余すところなく活かした一品だ。

このスイーツを手がけたのは、鳥取大学の学生グループ「結梨(ゆいりん)」。
約40人のメンバーが、果樹農家での農作業ボランティアや農産品を使った商品開発・販売などに幅広く取り組んでいる。
今回のクッキーは、市内の洋菓子店などの協力も得ながら開発を進め、2年がかりで商品化にこぎ着けた。

“梨の葉スイーツ”を試食する人たち
“梨の葉スイーツ”を試食する人たち
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「農薬を使っていない葉」の調達が難航…

梨の葉には、抗酸化作用があるポリフェノールが大量に含まれている。
「結梨」では、以前からこの特性に着目し、梨の葉を使ったお茶などの商品開発に取り組んできた。

しかし、原料として使用するには大きな壁があった。
栽培中に農薬が散布されていない梨の葉でなければ、食品の原料として使えないのだ。

安全に使える梨の葉をどう確保するか。
この調達問題を解決するヒントになったのが、「耕作放棄地」だった。

後継者不在によって栽培が止まった梨園では、農薬散布が行われていない。
こうした土地の梨の葉であれば、商品の原料として活用できると学生たちは気づいたのだ。

耕作放棄地は、農業の担い手不足が進む鳥取県でも深刻な課題となっている。
「結梨」の取り組みは、通常であれば活用されないままになってしまう土地と葉を同時に有効活用するという、一石二鳥のアイデアでもある。

鳥取大学の学生グループ「結梨」
鳥取大学の学生グループ「結梨」

洋菓子店と試行錯誤 2年の積み重ねを誇りに

大学でのお披露目会には学生や大学関係者などが参加し、完成したスイーツを試食した。
農学部3年生で共同代表を務める福谷悠真さんは、「2年間続けてきた開発がこうしてお披露目できて、ホッとしたというのが率直な気持ち」と安堵の表情を見せた。

2年という開発期間は、素材の調達方法の模索から、洋菓子店との試行錯誤を重ねた商品づくりまで、決して平坦ではなかったはずだ。
それでも学生たちは商品化まで走り切った。
福谷さんの言葉には、そうした積み重ねへの誇りがにじんでいた。

鳥取大学でお披露目会
鳥取大学でお披露目会

鳥取と言えば「梨の葉」と言われる存在に 新たな魅力発信

この梨の葉クッキーは、4月6日から鳥取市内の洋菓子店で販売が始まる。
「結梨」のメンバーたちは今後、県内の土産物店やデパートなどへの販路拡大も検討しており、鳥取を代表するお土産品としての定着を目指している。

「鳥取県といえば“梨葉”というところまで行ってくれたらうれしい」という福谷さんの言葉が示すように、学生たちの目標は商品一つの完成にとどまらない。
耕作放棄地の活用という地域課題と向き合いながら、梨の葉という新たな鳥取の魅力を全国に発信しようとしている。

捨てられていた葉が、地域を元気にするスイーツへ…鳥取大生たちの挑戦はまだ始まったばかりだ。

鳥取大学「結梨」・福谷悠真さん
鳥取大学「結梨」・福谷悠真さん
TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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