「細かいことは分からない」曖昧な運用の実態
「喫煙目的施設」と表示しながら、いわゆる“居酒屋営業”をしている飲食店はどれくらいあるのか。取材班は、飲食店検索サイトで、東京・新橋エリアの「喫煙可能」と表示される50店をピックアップし、店頭に表示が義務付けられている、喫煙についての「標識」を確認した。
だが、記者が10店舗ほどまわっても、標識を張っているところがほとんどない。ネット上では分煙や全席喫煙可といった情報はあるが、標識は確認できない。

「喫煙目的」との表示がない店が多いため、たばこを吸わない人が入店することで受動喫煙のリスクが懸念として残る。
取材した50店舗中、回答があったのは48店舗。全席で喫煙可能と回答したのは34店舗だった。

これらは全て、バーやスナックなどの「喫煙目的施設」なのか。店を取材すると・・・
記者:
施設の種類としては、喫煙目的施設?
店員:
あんまり細かいことはよくわからない。
全席喫煙可能の34店中、「喫煙目的施設」と回答したのはわずか9店。
23店舗は「どの施設に当てはまるか判らない」と答え、法律の理解が進んでいない実態が浮き彫りになった。
では、「喫煙目的施設」と回答した9店舗では、ご飯ものは提供されていないのか。
「定食がメニューにあります」
「全席で喫煙できる施設ですが、ピザやパスタを提供しているということです」

本来提供できない、「主食」にあたる可能性がある、パスタを提供するなど、9店舗中、7店舗が、夜も主食を提供していた。
自治体判断しづらく 指導に課題
ある飲食店オーナーは取材に対し、「法律ができた2020年はコロナの時期とも被っていて、自治体も対応に追われた。そこから一度も指導に来たこともないし、グレーの状態でやっているお店が多い」と明かす。
喫煙目的施設の要件に違反した場合、50万円以下の過料となる可能性もあるが、法改正以降、過料が課されたことは全国で一件もない。

厚労省は取材に、「『喫煙目的施設』か、自治体が判断しづらく、指導が難しいとの意見もある。今後、「喫煙目的施設」のルールの周知と、標識の徹底に向け、対策を議論していく」とした。
