100年近い歴史がある長野県箕輪町の水路橋が、老朽化のため4月1日から通行止めとなっています。

橋に感謝を―。

先週末、住民らが渡り納めのイベントを開き、慣れ親しんだ橋の上で、最後のひとときを楽しみました。

法被姿の子どもたちが歩くこの場所は、高さ約15mの古い橋の上。

箕輪町にある「八乙女の水路橋」です。

地元の人にとってどんな橋か聞いてみると―。

地元の人:
「この近くに田んぼがあって、子どもの頃からしょっちゅうここ通っていた」

橋が完成したのは、約100年前の1928年。

その名の通り、水路としての役割をもつ橋でしたが、別の水路の完成により、その後は生活道路として長く使われてきました。

橋の長さは145m。土木学会による「近代土木遺産」にも選ばれ、映画のロケ地になったことも。

田園地帯に立つその風景は、地元にとってもシンボル的な存在でした。

しかし、橋脚をみると、コンクリートがはがれ落ちている所も。老朽化が進み、2024年から自動車の通行は禁止に。

4月からは自転車と歩行者の通行も禁止され、全面通行止めになりました。

先週末、その水路橋に大勢の住民たちが集まりました。

橋に感謝をと、「渡り納め」のイベントが開かれたからです。

八乙女区・柴和彦区長:
「橋としての使命は終わりますが、風景としての水路橋は長く保存していただきたい」

鼓笛隊の演奏で始まった「ラストウォーク」。約150人の住民らが参加しました。

ドローンで記念撮影もー。

橋の近くで住民が思い出を語りました。

住民:
「私が生まれた頃からあったわけで、小学校の頃はここを遊び場にしていた。私にとっては原風景。非常に大切な財産だと思っている。なるべくこの原形を残す形で安全を確保していただきたい」

住民:
「田んぼに行くときに通った道でもあるし、中学校通うときに、自転車で毎日通って。寂しいのと、100年もった素晴らしさ、先人たちの力と思いを感じた。心にはずっと残っていると思うので、何かしらの形で残せたら」

住民たちからは「何らかの形で残してほしい」という声が聞かれましたが、保存するか、それとも撤去するかはまだ決まっていません。

町によりますと、橋の補強には少なくとも4億円がかかる見込みで、う回路もあることから、町は「撤去する方針」を示しています。

箕輪町・白鳥政徳町長:
「構造的な部分が痛んでいて直すことが基本的にできない状況になっている。やはり、安全・安心が一番でありますので、こういった選択撤去をした」

その上で今後については、住民との話し合いを重ねて考えていきたいとしました。

水路橋対策委員会・中島光彦 常任委員長:
「崩れることをできるだけ防ぎながら、お金をかけない状態でできることをやってほしい。心の中で残り、思い出の中で生きていけたら」

橋が今後どうなるかまだわかりませんが、生活道路としての役割を終えた橋に感謝しながら、住民たちは「渡り納め」を楽しみました。

長野放送
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