コメの在庫量が想定よりも多くなることが予想される中、新潟県新発田市や新潟市に店舗がある農産物直売所でコメの値下げが始まった。まもなく田植えシーズンを迎えるのを前にコメの価格はどうなるのか…その動向を取材した。
■コメ価格が下落 店舗に並ぶコシヒカリなど値下げ
新潟市東区の農産物直売所・とんとん市場松崎店に並んでいた新潟県産のコシヒカリとこしいぶき。
25年産のコシヒカリは3866円から3542円に。こしいぶきは3758円から3218円に値下げされていた。
高野和貴副店長は「他社の話を聞くと、在庫過多になり、どうしてもコメを売らなくてはいけないということで、安くされている方はいると思う」と話す通り、値下げの背景にあるのが、コメ価格の下落だ。
■コメの増産や高値で“在庫量”増加
コメの増産や高値などの影響で26年1月末の玄米の民間在庫量は321万tと過去10年間で2番目に多くなっている。
それに伴い、5kgあたり4000円を上回る水準で推移していた全国のスーパーでの販売価格も26年に入って下がりはじめ、2月16日の週では4000円を下回る3978円となった。
とんとん市場は現在多くの在庫を抱えているわけではないが、物価上昇が続く中で地域の食卓を支えようとコストを見直し、値下げを実現したという。
高野副店長は「他社も同じく値下げにはなっているが、地域で一番安くさせていただいて、より多くの人にとんとん市場のコメを食べていただきたいと思う」と意気込む。
■JA “仮渡し金”に慎重な姿勢「消費者・生産者が納得できる価格に」
その一方で、まもなく田植えが始まる26年産のコメ。
JAは農家に対して支払う仮渡し金の最低補償額を25年は2月に提示していたが、JA新潟中央会の伊藤能徳会長は、民間の在庫量が想定を上回る水準になると見込まれていることや、中東情勢の悪化による燃料や資材の高騰なども加味する必要があるため、金額の設定には慎重な姿勢を示している。
伊藤会長は「価格転嫁ができればいいが、消費者、それから生産者が納得できる価格で何とか着地したいという思い。農家の皆さんが意欲を持って再生産できる価格にしたい」と話した。
今後、コメの価格はどう変化し、生産体制にどのような影響が出るのか注視していく必要がありそうだ。