“寺の象徴”に迫る倒壊の危機
至るところに大きなひび割れ、甲羅の一部は割れ落ち、上に置かれた石碑はわずかに傾いている。
島根・松江市の古刹・月照寺が誇るシンボル「大亀像」が、いま倒壊の危機に瀕している。
江戸時代後期から240年以上にわたって寺を守ってきた大亀像の修復に向け、月照寺はクラウドファンディングで広く協力を呼びかけている。
「ばけばけ」効果の一方で…
松江藩主・松平家の菩提寺として知られる月照寺は、小泉八雲とその妻・セツゆかりの地としても有名だ。
近年は八雲とセツをモデルにしたドラマの放送をきっかけに観光客が急増し、平日でも大亀像のもとには次々と人が訪れる。
しかしその大亀像をよく見ると、至るところに走る大きなひび割れ、割れ落ちた甲羅の一部、そして傾いた石碑…状況は深刻だ。
1780年代、江戸時代後期に建てられたこの大亀像は、200年以上の歳月を経て老朽化が進み、「倒壊」の危機に瀕している。

多額の修復費…総額約6500万円
こうした状況を受け、3月12日、市や県の文化財担当者などでつくる検討会が開かれ、大亀像の保存・修復の方針について協議が行われた。
修復作業は2027年度から約3年かけて実施される計画で、総費用は約6500万円にのぼる。
国・県・市からの補助金が充てられるものの、月照寺の自己負担は1000万円を超える見込みだ。
月照寺には檀家がなく、拝観料だけで維持管理をまかなっている。
1000万円超の自己負担は、寺にとって決して小さくない重荷である。

「次の世代に引き継ぎたい」…クラウドファンディングに光明を
そこで月照寺が打ち出したのが、クラウドファンディングによる資金調達だ。
高梨博昭住職は「この度この修復にあたり、修復の一部をクラウドファンディングで募らせていただいて、次の世代に(大亀像を)引き継ぎたい」「大亀を通じて(松江の)歴史・文化を知っていただき、しっかりとつないでいきたいと思っています。250年ぶりの修復にご協力いただきたい」と語る。
寄付へのお礼・返礼品には特別な御朱印などが用意されており、自己負担分を十分にまかなえる1300万円を目標額に設定している。

歴史を未来へつなぐために…支援呼びかけ
月照寺の大亀像修復プロジェクトへの寄付は、クラウドファンディングサイト「シマネクション」またはレディーフォーにて、3月17日から6月15日まで受け付けている。
松江が誇る歴史的シンボルを未来へつなぐ取り組みが注目されている。

