“小さなスーパー”が全国コンテストで3年連続入賞・入選の快挙

従業員約50人、コンビニと同じ程の広さ…島根・松江市の住宅地に店を構えるスーパー「ハロー」が、全国規模の『お弁当・総菜コンテスト』で4商品の入賞と入選を果たした。

3年連続の快挙に、島根県の丸山知事も「三品完食!昼ごはん食べなくてよかった」と笑顔を見せた。

田中社長が語る“受賞の先にあるもの”

3月24日、島根県庁を訪れたのはハロー(運営:ハートピアコーポレーション)の田中幸太郎社長ら。目指すのは「地元密着」だ。

知事の「三品完食!」という一言が、“小さなスーパー”の底力を雄弁に物語っている。

田中社長は「大変喜ばしいことなんですが、ただ単に優勝を目指すということではなくて、その先にお客様の存在があるということを念頭に置いて今後もやっていきたい」と語った。

コンテストの受賞商品を手にする丸山知事
コンテストの受賞商品を手にする丸山知事
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オリジナリティや満足感など高評価 

ハローが受賞した『お弁当・お惣菜大賞』は、全国のスーパーやコンビニ、専門店などで実際に販売されている優れた「デリカ商品」を表彰するコンテストだ。

2026年2月に開かれた今回は、10の部門に合わせて1万5000点余りの応募が集まり、受賞作はすべての部門を合わせてわずか230点。
オリジナリティ、原材料・調理法のこだわり、おいしさ、価格面の満足感などが審査の基準となる。

このコンテストで「ハロー」は3年連続の受賞。
2026年は3つの部門で合わせて4商品が入賞・入選を果たした。
前年2025年に最優秀賞を獲得した「麺部門」では、島根ならではの食材を生かした和風パスタが優秀賞(2位)に選ばれた。

受賞告知の垂れ幕を掲げた店内
受賞告知の垂れ幕を掲げた店内

和風パスタに宿る“島根らしさ”にリピーター続出

この和風パスタを取材した記者は「あごだしの風味が口の中いっぱいに広がり、舞茸がアクセントとなってとても上品な味わいとなっています」と評している。

商品のこだわりは随所に光る。
麺に糸こんにゃくを混ぜることで、製造から時間が経ってもゆでたての食感を保つ工夫が施されている。
トビウオが香る「あごだし醤油」で奥出雲町産の舞茸を味付けし、食感と豊かな香りを一皿に凝縮した。

商品開発を担当する岩田伸司さんは「ご当地グルメとか地元の隠れたB級グルメとかそういったものをスーパーから発信できたら」と話す。
受賞発表後、売り上げは約1.5倍に伸び、受賞作を再び求めるリピーターも増加しているという。

コンテストで優秀賞に選ばれた和風パスタ
コンテストで優秀賞に選ばれた和風パスタ

岩田さんが「ひそかに推す」一品 “厄介者”から“ごちそう”へ

岩田さんが今、特に注目してほしいと語るのが、松江市八雲町産のイノシシ肉を使ったコロッケだ。
「イノシシっていうものの需要をもっと増やそうという意味で、コロッケにすれば家庭用の料理にしてというところで」と開発の動機を明かす。

農作物を荒らす厄介者として駆除されるイノシシを1頭でも多く食材として活用したい…その思いから生まれた一品だ。
ごぼうとショウガを加えてイノシシ肉を「時雨煮」にし、種に混ぜ込まずあんぱんのような2層構造にすることで、ジビエ特有のくせを抑えながらイノシシ肉の味わいをしっかり感じられる仕上がりとなっている。

「『受賞おめでとう』とか『おいしかったよ』とか、リピーターの声も多い。そういう言葉を励みに頑張りたい」と岩田さんは笑顔で話した。

ハロー・岩田伸司さん
ハロー・岩田伸司さん

“想い”が強さの源に ニーズに寄り添う“近くの安心”

「ハロー」が店を構えるのは、松江市北部の住宅地「法吉団地」の一角。
20年前からこの地に根を張り、高齢世帯や共働き家庭が多い地域のニーズに合わせて、購入してすぐに食べられる店内調理の総菜に力を入れてきた。

コンビニと同程度の広さに、従業員は約50人。
規模こそ小さいが、地域に密着した商品づくりが全国に通用する品質を生んでいる。

顧客と地域のために個性的な商品を作り続ける。
松江の小さなスーパーの挑戦は、これからも続く。

ハローの総菜コーナーで商品を吟味する買い物客
ハローの総菜コーナーで商品を吟味する買い物客
TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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