2026年4月1日、自転車の交通違反に対して反則金(いわゆる”青切符”)を科す制度がいよいよスタートしました。

年間約7万件の自転車事故が発生し、全交通事故に占める自転車関連の割合は20〜25%にのぼるといいます。

違反項目は、なんと113にも及び、反則金の最高額は「ながらスマホ」運転の「1万2000円」です。

そこで関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、刑事訴訟法・交通ルールを専門とする近畿大学法学部の辻本典央教授を招き、クイズ形式で新ルールを解説しました。

■「ながらスマホは1万2千円」まず押さえるべき基本の反則金

まず、主な違反行為と反則金を整理しておきます。

・ながらスマホ運転:1万2000円(最高額)

・イヤホン・ヘッドホン使用:5000円

・傘差し運転:5000円

・歩道走行:6000円

イヤホンについては「片耳ならいい」「骨伝導タイプはOK」といったルールも存在します。

禁止される理由はシンプルで、「周囲の音が聞こえないことで危険が生じるから」。耳を塞がないオープンタイプでも問題なし、ということです。

■第1問:スクランブル交差点、この女性の違反は何でしょう?

【状況】
スクランブル交差点(縦横一斉に歩行者用信号が青になるタイプ)。一人の女性が自転車に乗ったまま信号待ちをし、歩行者用信号が青になったのを見て交差点をゆっくり渡っていきました。

さて、この女性、実はルール違反を犯しています。何でしょうか?

番組コメンテーターのタレント・土田晃之さんは「ハンドルのところにバッグをかけてる!」と回答しました。

【辻本教授】「これは正解です!」

スタジオにあったパネルを目ざとく見つけていた土田さん。「へーって思ったばっかだったんですよ!昭和だったらお母さん、みんなアウト!」と思わず声を挙げていました。

「ハンドルへの荷物かけ」は「反則金5000円」です。

さらに、この女性の映像には別の違反も潜んでいました。辻本教授が説明します。

【辻本教授】「自転車は原則として”車”です。ですから、車道の信号に従わなければなりません」

この女性は歩行者用の信号(青)に従って進んでいましたが、そのとき車道の信号は”赤”でした。これは信号無視になります。

ただし、例外があります。

・歩道走行が認められた道路(標識・表示による指定あり)を走っている場合は、歩道側の信号に従う

・自転車専用の信号が設置されている場合は、その専用信号に従う

「原則は車道の信号、ただし歩道走行OKの道なら歩道の信号、専用信号があればそれに従う」この3段階が基本です。

「横断歩道は歩道の延長だと考えると分かりやすい」と辻本教授はアドバイスします。

■第2問:右折したい!どうやって曲がればいい?

【状況】
自転車レーンが整備された車道を走行中。右折したいと考えています。車道用の信号には右折を示す青の矢印が出ています。そのまま右折していいでしょうか?

これに回答したのは、タレントの眞鍋かをりさん。「原付と一緒、二段階右折しないといけないですよね」と的確な答え。

これはもちろん正解です。辻本教授が補足します。

【辻本教授】「右折の場合は二段階右折が原則。矢印信号が出ていても、自転車にはそれは適用されません。まず赤信号で一旦停止し、青になったら向こう側に直進で渡ってから、次の信号で右方向に進む。これが二段階右折です」

一方で、納得がいかないという様子なのが土田さん。「ただしこれ、免許を持っている人は知っていることですけれど、免許を持っていない人は知らないですよ」と反則金が科されるようになった「厳格化」に納得がいかないところもあるようです。

【4月から新設:並走時の車間距離ルール】

この問題をきっかけに、辻本教授が4月から変わった車側のルールにも言及しました。

自転車と並走する際、車は左右の車間距離を必ず確保しなければならないとなりました。

またで車が左折する際、直進してくる自転車がいれば一旦譲ることが原則です。

「自転車のルールを知らなきゃいけないのは、自転車に乗る人だけじゃない」…車を運転する人も、この点は押さえておく必要があります。

■第3問:親子二人乗り、この交差点をそのまま進んでいい?

【状況】
ランドセルを背負った子供を後ろに乗せた親子が自転車に乗っています。交差点の信号は青。そのまま進めば違反になりますか?

この問題に対し、政治ジャーナリストの青山和弘さんは「車と同じ信号を見て、直進すれば大丈夫ですよね?」と不安げに回答。

辻本教授は「残念ながら……」と首を振りました。

実はこの交差点には、歩道側に「自転車専用」と書かれた信号機が設置されていました。

こういった専用信号がある場合は、車道を走っていても、専用信号に従わなければなりません。

「車道を走っていても専用信号があればそちらに従う」これを見落とすと、青信号だと思って進んだのに違反になる、というケースが発生します。

さらに、もう一つの違反が潜んでいました。イラストの子供、ランドセルを背負っているということは、「小学生以上」です。

実は子供が後ろに乗れる自転車でも小学生以上を乗せると違反になるのです。

【辻本教授】「4月から学年が変わります。保育園・幼稚園に通っていたお子さんが小学校に上がると、二人乗りは禁止になるので注意してください」

反則金は3000円(軽車両積載違反)です。

スタジオでは「小学生でも低学年のうちは乗せてる人いますよね。幼稚園ですって言い張りたくなりますけど…」という声も挙がりましたが、それは通用しません。

■「自信がないときはいったん降りて」辻本教授の最終アドバイス

3問のクイズを通じて浮かび上がったのは、「ルールの複雑さ」と「周知の不十分さ」です。

113項目の違反に、状況によって変わる信号の判断基準、そして新たに加わった子どもの年齢制限…。

「僕、誰からも教わってないですもん。父親が自転車の後ろを持って、手を離したら乗れるようになった。それだけです」と語った土田さん。そんな声は、多くの人に共通する実感ではないでしょうか。

辻本教授は自転車ルールを守るコツとして、次のように解説しました。

【辻本教授】「113個を一度に覚えようとしなくていいです。まず日頃よく通る道を、ゆっくり確認しながら走ってみてください。

場合によっては押しながら歩いて確認するのも有効です。そのルートを把握できれば、他の道にも応用が利きます」

そして、迷ったときの最終手段はシンプルです。

「自信がないときは降りて押す」これだけで、違反のリスクはぐっと下がります。

また辻本教授によると、取り締まりは、まずは「指導・警告」から始まるのが基本方針とのことですが、重大な違反や事故が伴う場合は即時反則金の対象になります。

また、16歳未満でも指導・警告の対象になり、14歳以上で3年以内に2回以上の指導・警告を受けると交通講習が義務付けられます。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月1日放送)

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