巨体を揺らし、のそのそと歩くのは冬眠から目覚めたばかりのクマ。
おなかをすかせたクマは、餌をむしゃむしゃと食べていました。

イット!取材班が向かったのは、北海道・新得町にある「ベア・マウンテン」。
自然に近い環境でヒグマを飼育するこの施設では、11頭いるクマたちは冬の間、静かに冬眠をしていました。

園長がのぞき込んだおりの中にいたのは3月、冬眠から目覚めたばかりのクマ。
鋭い爪でつかんだ餌を食べていました。

ベア・マウンテン 坂出勝園長:
今年は88日エサをやらずに、エサのにおいに他のクマが反応して一斉に起きてきた。

冬眠前に脂肪を蓄え、体重420kgあったクマは冬眠中の絶食を経て約60kg減少しました。

クマのおなかを見てみると、肋骨(ろっこつ)が浮き出ていてかなり痩せているのが分かります。

冬眠明けの餌は高カロリー、高たんぱく質などを配合した飼料。
体調を整えながら徐々に太らせていくといいます。

獣舎ではドンドンと、冬眠明けのクマがおりの中で扉をたたく音が響いていました。
これは一体…。

ベア・マウンテン 坂出勝園長:
早く(扉を)開けてエサをくれと…。エサに対する反応がすごい。エサを見せると、おりにうわっと来たり「エサをくれ」みたいな感じで興奮状態に入るときがある。

2025年、全国各地で深刻化したクマ被害。
今年は早くも冬眠から目覚めた“春クマ”の目撃情報が相次いでいます。

先週だけでも3回のクマの目撃情報が寄せられているのは、北海道・富良野市です。

3月24日の夜、国道を走っていた車と畑から飛び出してきたクマが衝突。
車は自走できない状態となっていたものの、ドライバーにはけがはありませんでした。

住民たちがクマの出没に不安を感じる中、市内のホームセンターでは早くも“クマ撃退グッズ”が並んでいました。

2025年より売り場の広さを2倍にして、クマ鈴や撃退スプレーなど多くの種類を取りそろえていました。

DCM富良野店・宮下太一副店長は「スタートがすごく早い。(例年は)3月初旬からは展開はしない。冬眠前と後が一番危険と思うので、問い合わせがあります」と話しました。

春クマの出没が相次ぐ中、北海道・岩見沢市では狩猟歴55年の大ベテラン・原田勝男さんはパトロールに乗り出していました。

狩猟歴55年・原田勝男さん(85):
もうちらほら(クマが)出てくるのではないか。一雨降ればガバッと出る。

雨で雪が解ければ穴の中にいるクマが山から下りてくるといいます。

原田さんは25年ほど前、シカ猟の最中にクマに襲われ左目を失って以来、クマ被害をなくすため地域の安全を守ってきました。

そんな原田さんがパトロール中設置した箱わなのそばで“異変”を感じました。
突然、現場のにおいをかぎ始めたのです。

狩猟歴55年・原田勝男さん:
なんかにおいするぞ、クマのにおい。来るぞ、来てるぞこれ!

2025年、19頭のクマを捕獲した原田さん。
冬眠明けのクマについて「エサが不足しているのは現実。クマにとって相当厳しい時代になっている。すきっ腹だから何でも食いたい。少々危険だと思っても(箱わなに)入るのはそこ」と話しました。

各地で出没する“春のクマ”。
2025年、市街地で餌を食べたクマが味を占め再び同じ場所に現れる可能性もあるといい、注意が必要です。

北海道文化放送
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