鍵山から「団体のフリーの日、顔やばかったよ」とツッコまれると、佐藤も「なんなら前日からやばかった…。でもそこで緊張していたから本番冷静になれた」と苦笑する。三浦が「あのフリーはしびれた。本当にかっこよかったよね」と絶賛すると、鍵山もうなずいていた。

涙の銅メダルを獲得した佐藤
涙の銅メダルを獲得した佐藤

そして個人戦でも佐藤の勢いは止まらず、ショート9位から、再び会心の演技でジャンプアップし銅メダル獲得。佐藤の目には感動の涙があふれていた。そして、銀メダルの盟友・鍵山とともに表彰台にのぼった。

「去年の世界選手権から自信がついた。主要国際大会でも結構いけるだろうみたいな、世界選手権でできたんだからここでもできるでしょ、というモチベーションで全部の大会、オリンピックも臨めた」

「失敗を恐れずに」宇野からの提言

幼い頃から“ジャンプの天才”として名をはせていた佐藤。15歳では羽生結弦さんに次ぐ、日本人2人目となる4回転ルッツを成功させる。2019年のジュニアグランプリファイナルでは、鍵山をおさえて優勝した。

しかし、伸び悩んだ時期もあり、「安定感」という課題も抱えていた。

演技後には何度も飛び出したガッツポーズ(2025年世界選手権)
演技後には何度も飛び出したガッツポーズ(2025年世界選手権)

そんな中、2025年の世界選手権。初出場の大舞台で堂々の演技を見せ6位入賞を果たす。

大会前、宇野昌磨さんと対談した際にもらったアドバイスが自身を変えたと佐藤は言う。

「失敗してもいいんだと(宇野が)おっしゃっていて。自分はそれまで失敗は怖くて、1個の失敗でも動揺していたんですけど、話しを聞いてから確かにな、と思って。ノーミスをするってものすごく難しいことだと思うので、それをあまり意識せず、練習はできているので失敗を恐れずに行くだけだと思って(前回の)世界選手権も挑みました」

そこで得た自信を力に変え、4回転ルッツの成功率と比例するように、今シーズンは結果を出し続けた。