2013年に発生した王将フードサービスの社長だった大東隆行さんの(当時72)射殺事件。一時は「迷宮入りか」とも言われた中、事件から9年後に逮捕されたのが、福岡県に本部を置く特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部である、田中幸雄被告(59)でした。
被告人質問を拒否するという異例の展開となった裁判。初公判から裁判を傍聴してきた記者の解説です。
田中被告は、証言台に立つことすらなく、弁護側の席から検察側や裁判官からの質問に答えないのかと問われると丁寧な口調で「はい」と述べました。
予定されていた被告人質問が中止されるという展開となりましたが、田中被告は落ち着いた様子で、いつもと違う点はなかったように感じます。
残す裁判の予定は6月の求刑と10月の判決のみとなっていて、初公判で無罪を主張した以外、被告人本人が語ることなく審理が終わる見通しになります。
なぜ田中被告は被告人質問に答えないという判断をしたかについて、その真意はわかっていません。ただ、私はこれまで裁判の傍聴を続けてきましたが、初公判の際は大きな声で自らの無罪をはっきり主張しましたし、これまでの裁判でも証拠資料に目を通したり、時折、弁護人に小声で質問をしたりしていて、裁判に関心がないというふうにはみえません。
今回は目撃証言などの直接証拠がない中で犯人性を争う裁判になっていますので、きょう質問に答えることが自らに有利とはならないという判断が働いた可能性もあり得ます。
また、きょう=23日の裁判では、被害者参加人制度を利用して、ご遺族が話をする場面があり、時折涙ながらに「犯人を同じ目に遭わせてやりたい」と語る場面もありました。
無罪を主張する弁護側に対し証人尋問を繰り返し間接証拠を積み上げてきた検察側。双方の主張を裁判所がどう判断するのか10月の判決が注目されます。
(関西テレビ京都支局・石田聖乃)